ファイブフォース分析とは?マーケティング担当者が知っておきたい具体例も解説

 2020.07.20  マーケティング インテリジェンス チャンネル

マーケティングには様々な分析フレームワークが存在します。その中の1つが「ファイブフォース分析(5フォース分析)」です。ファイブフォース分析は、マイケル・ポーター氏の著書「競争の戦略」で広く私たちの世界で知れ渡りました。マイケル・ポーター氏といえば、35歳という若さでハーバード・ビジネス・スクールに教授として迎えられたことでも有名ですね。ファイブフォース分析は1979年に発表され、世間に浸透してから40年以上が経過した今でもマーケティングの最前線で活用されている分析フレームワークです。本記事では、分かりやすい例を交えながらファイブフォース分析について解説していきます。

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ファイブフォース分析とは?

マイケル・E・ポーターは著書の中で、業界の収益性を決めるのは5つの競争要因からであるとし、これら5つの観点から業界の構造分析をおこなう手法を確立してファイブフォース分析と命名しました。ファイブフォース分析は経営戦略の中で競争力がもつ重要性を強調しており、経営上不可欠な分析フレームワークとして企業戦略・競争戦略の策定に活用されています

また、企業を取り巻く環境を分析するにあたり外部環境と内部環境に分類して分析するのが一般的であり、ファイブフォース分析は外部環境におけるミクロ(市場や企業視点で見た)環境分析を行うための分析フレームワークだとされています。

誤解なきよう提言しておきたいのは、ファイブフォース分析に限らずマーケティングでは単一の分析フレームワークで分析活動が完了することはごく稀です。外部環境分析ひとつとってもファイブフォース分析の他にPEST分析やアドバンテージ・マトリクスなどが、さらに内部環境分析を行うための3C分析やバリューチェーン分析などを含めて1つの環境分析とします。

「業界」「市場」の定義

ファイブフォース分析を駆使するために重要なのが、マイケル・E・ポーター氏が定義する「業界」や「市場」という言葉について理解することです。皆さんはこれらの言葉を聞いた際に、物づくり系企業なら製造業、物販系企業なら小売業、もう少し細分化して自動車業界や家電業界、食品業界、アパレル業界などを思い浮かぶのではないかと思います。これらを1つの「業界」や「市場」という括りにするのが一般的ですが、マイケル・E・ポーターが定義する「業界」や「市場」は少し違います。その理由は、昨今のビジネス情勢を鑑みるに従来は競合と認識していなかった企業が、突如として競合的な存在としてシェアを奪い合う関係になる可能性が非常に高いからです。

かつて、音楽業界で市場シェアを伸ばしていたのがCD製作会社、あるいはウォークマン(SONY)等の音楽プレイヤーを制作していた企業は、いわゆる家電業界を中心として活躍していました。しかし2001年10月23日、音楽業界を大きく変動させる出来事が起きます。今は亡きスティーブ・ジョブズが設立したIT企業、アップル社がiPodを発表し、音楽のあり方を大きく変えたのです。

マイケル・E・ポーター氏はそうしたビジネスの変化を敏感に察知していたせいか、業界とは「互いに代替可能な製品を作っている会社集団」だと定義しています。つまり、製品そのもののカテゴリではなく、その価値や効用に注目して業界を捉えるべきだと考えているのです。加えて、業界とは「収益を奪い合う場所」だとも定義しています。

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ファイブフォース分析の要素

では、マイケル・E・ポーター氏はファイブフォース分析において企業の競争力を構成する要素をどのように分解したのでしょうか?ファイブフォース分析の根幹となる5つの要素をご紹介しましょう。

Competitive Rivaly(業界内の競合)

ここでは、企業が属する業界内での競争相手の多さ、そして彼らの製品やサービスの品質などを表します。念を押しますが業界とは単に製品やサービスのカテゴリによって分類したものではなく、それらがもつ価値や効用に着目して分類した集団です。たとえば従来は炭酸飲料と酒類が直接的に競合することはほとんど無かったものの、近年エナジードリンクが爆発的に人気を博し、これを嗜好品として楽しむ人が増えています。つまりは前述した音楽業界のように、従来は競合でなかった企業が競合として存在するようになる一例です。

業界内における競争が激しい場合、企業は積極的な値下げとインパクトの強いマーケティングキャンペーンで顧客を惹きつける必要があります。

 

Supplier Power(売り手の交渉力)

売り手(サプライヤー)の交渉力というのは、価格を上げることがどれほど簡単かによって決定します。業界の中に潜在的なサプライヤーはいくつ存在するのか?そのサプライヤーが提供する製品やサービスはどれほどユニークなものなのか?あるいは、別のサプライヤーに切り替えるのにどれくらいの費用がかかるか?などの要素が関係します。

選択肢が多いほど安価な代替品に切り替えることが簡単です。一方で、ユニークな製品やサービスを提供し業界に数少ないサプライヤーとしての存在である場合、サプライヤーから企業の求める能力(具体的には金銭)の要求が高くなることが一般的です。

 

Buyer Power(買い手の交渉力)

一方、買い手(バイヤー)の交渉力はバイヤーが価格を下げることがどれほど簡単かによって決定します。業界にはどれくらいのバイヤーが存在し、それぞれの注文はどれくらい大きいのか?自社の製品やサービスを競合のものに切り替えるためにどれくらいの費用がかかるか?バイヤーの数が少数かつ業界に精通した顧客だけの場合、彼らはより大きな力を持っていると言えます。逆に、自社が多くのバイヤーを持っているならば自社の力が増大することになります。

 

Threat of Substitution(代替品による脅威)

業界には様々な代替品が溢れており、顧客がいつその代替品で自社の製品やサービスと同等の効果を得ようとしているは未知数です。簡単で安価な代替品の登場は自社の立場を弱め、収益性を脅かす可能性が大いにあります。

 

Threat of New Entry(新規参入による脅威)

業界・市場へ新たに参入する競合の存在によって自社の能力が影響を受ける可能性があります。かつての音楽業界がそうだったように、突如別の業界から参入した競合によって市場の隅に追いやられる可能性は十分にあるのです。

 

まとめ

以上が、マイケル・E・ポーターが提唱するファイブフォース分析です。これらの要素を駆使して企業の外部環境分析を実施することで、自社が置かれている現状や今後注意すべき脅威などを正確に把握しながら経営戦略・競合戦略を練ることができます。この機会にぜひ、ファイブフォース分析の利用についてご検討ください。

 

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