ABC分析とは?マーケティング担当者が知っておきたい具体例も解説

 2020.09.16  Marketing Intelligence

今回はマーケティング分析の基本である「ABC分析」、別名「重点分析」と呼ばれる分析フレームワークについて解説します。簡単に説明しますと、ABC分析はいくつかある指標の中から注視すべきポイントを決めて、優先的に商品を管理するための手法です。売上高、販売個数、売上利益などを重要度順に並べ、管理対象の優先度を選定するのに役立ちます。マーケティンング担当者としては是非とも知っておきたい分析フレームワークなので、この機会に習得してみましょう。

abc-analysis

ABC分析とは?

ABC分析は商品の売上高や販売個数、あるいはコストや在庫などウェイトが大きい順にランク付けを行い分析し、優先的に管理する対象を決めるための分析フレームワークです。「ウェイトが大きい」とはつまり、「会社にとって利益になる」「重要度が高い」ことを意味します。ウェイトが大きい商品に対して重点的に経営資源を投下することが会社の目標達成に必要不可欠です。ABC分析はシンプルな分析フレームワークとして知られていますが、経営戦略やマーケティング施策を立案する上で基礎となる分析結果が得られるので、データ分析に精通している人でもよく使用するのが特徴です。

ABC分析の起点はイタリアの経営学者ヴィルフレド・パレートが提唱した「80:20の法則(パレートの法則)」です。企業の売上というのはその大体が8:2の割合で特定の商品に占められていると考えられており、より売上比率の高い商品のマーケティングに注力することが経営資源を効率的に分配する方法となります。

また、商品ごとの売上高だけでなく顧客別の売上高、コスト、在庫、原材料など数値化できるデータからABC分析を実施することで様々なウェイトの基準を設け、それらを組み合わせて分析することで広範囲に応用が効きます。

ABC分析のやり方

ABC分析最初のステップは、期間を決めて商品別の売り上げ構成と累積構成比を算出することです。さらに、累計構成比に応じて商品をAランク・Bランク・Cランクと区別します。全体の売上高に占める累計構成比が50%までのものをAランク、51~90%のものをBランク、91~100%のものをCランクとします。ただしあくまで目安なので、ABC分析を繰り返し実行していくうちに企業独自の黄金比を見つけることが大切です。では、10品目の商品をABC分析に従ってランク付けすると以下のようになります。

品目No. 売上高(千円) 累計売上高(千円) 累計構成比(%) ランク(A・B・C)
1 350 350 35.0% A
2 150 500 50.0%
3 100 600 60.0% B
4 90 690 69.0%
5 80 770 77.0%
6 70 840 84.0%
7 60 900 90.0%
8 50 950 95.0% C
9 30 980 98.0%
10 20 1,000 100%
合計 1,000 1.000 100%  

 

Aランクは売上貢献度が高い商品であり、Bランクは貢献度が中程度の商品、Cランクはそれ以下ということになりす。このグラフから上位2品目だけで売上全体の50%を占有していることが分かり、つまりはNo.1とNo.2の商品がこの会社の売れ筋というわけです。

このABC分析は売上高だけでなく販売個数や利益で分析することも可能です。注意すべきなのは、特定の指標にこだわって分析しないことです。上記の表によって「No.1とNo.2が売れ筋」ということが明確になりましたが、利益に関して言えば必ずしも上位2品目が占めているわけではないでしょう。No.1の商品がほとんど利益率を無視して集客目的で販売している商品だとしたら、ABC分析を利益ベースで行った場合かなり違った結果になってくるはずです。

小売業界のマーケティングを変える3つのトレンド
金融サービスのマーケティングに影響を及ぼす3つの課題

パレート図の作成

ABC分析を通じて上記のような表が完成したら、それをベースにしてパレート図を作成してみます。売上高の多い順に並べた商品を棒グラフとして、さらに累計構成比を折れ線グラフとして表します。ABC分析を一つのグラフとして表すと商品別の重要度が明白なるため、数値だけでは分かりにくい場合に活用します。

こうしたABC分析やパレート図を作成するにあたり、エクセル等では専用の機能を用意しているのでそれを利用するのも良いでしょう。

ABC分析のメリット

上記のようにABC分析を実施するメリットは何でしょうか?最大のメリットはやはり「現状把握」にあります。現場で働いている従業員からすると売れ筋の商品などについて体感的に理解している部分も大きいですが、実際に「どの商品に経営資源を投資すべきか?」という細かい判断まではできません。売れ筋は売れ筋でも、それが自社にとってどのような影響を与えているかを肌で感じることは難しいのです。

そこでABC分析を実施して商品の売れ筋や高利益な商品などについて視覚化することで、商品ごとの重要度を理解することが可能になります。例えば多角的にABC分析を実施して、単に売上高を元にAランクの商品を展開するのではなく、それに合わせて利益率の高い商品のマーケティング戦略について同時に考え、施策を有効的に組み合わせることによって利益率を向上させます。

Cランクの商品に関しては取り扱いスペースを縮小するなどの施策が考えられますが、必ずしも売上高的にCランクだからといって利益ベースでもCランクとは限りません。このようにABC分析を多角的に行うと、今まで気づくことのできなかった事実にたどり着くこともあります。

さらに、期間ごとのABC分析を比較しても面白い事実が見つかることが多々あります。売れ筋だと思っていたAランクの商品が実は他のシーズンではほとんど売れていなかったりと、ビジネスの内側にいるとなかなか気づきにくい視点を与えてくれるので、ぜひABC分析に取り組んでみましょう。

データ分析ツールを利用する

ABC分析などの基本的なマーケティング分析はエクセルなどの表計算ソフトでも実施できるのが特徴ですし、そのための機能が用意されています。しかしながら、様々なデータをもとに多角的に分析したり、期間ごとに分析結果を比較する場合は作業が複雑になります。また、扱うデータ量が多くなるとエクセルなどで操作が不安定になることも多いでしょう。

そこでお勧めしたいのがデータ分析ツールの利用です。データ分析を専門としてツールを利用することにより、単純な分析だけでなく多角的な分析も直感的に行えます。まだABC分析等に取り組んだことがない、ABC分析を実施したいと考えている方はこの機会にデータ分析ツールの利用についてぜひ検討してください。

マーケティングインテリジェンスレポート

RECENT POST「マーケティング分析」の最新記事


ABC分析とは?マーケティング担当者が知っておきたい具体例も解説
統合的マーケティング・アナリティクス戦略に 必要な7つのステップ

RANKING人気資料ランキング

RECENT POST 最新記事

ブログ購読のお申込み

RANKING人気記事ランキング