ビジネスシーンでは、本来は異なる意味でも混同されがちな言葉がいくつも存在します。「分析」と「解析」もそのうちの1つでしょう。データの重要性が増すにつれてこれらの言葉を耳にする機会が多くなりました。しかし、言葉の意味の違いを曖昧なまま放置している方が多いのではないでしょうか?
データの分析そして解析はこれからのビジネスに欠かせない要素です。データ活用を通じて様々な情報を獲得し、それをビジネスに用いることでマーケティングの最適化や商品開発等に役立てることがあります。また、BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールが以前よりもビジネスへ浸透し、データサイエンティストでなくても容易にデータの分析・解析に取り組む機会が多くなっています。また、Datoramaのようにマーケティングに最適化されたツールも多くの企業が利用しています。この機会にぜひ、「分析」と「解析」の違いを明確にしていただきたいと思います。ちなみにタイトルにある知らないと恥をかく?というのは少々言い過ぎで多くの人が違いを明確に説明できないと思いますのでご安心ください。
「分析」と「解析」の違い
まずは言葉としての違いを明らかにしていきましょう。「分析」と「解析」、それぞれの意味をWeblio辞書から引用します。
<分析>
ある事柄の内容・性質などを明らかにするため、細かな要素に分けていくこと。
<解析>
物事を分析して論理的に明らかにすること。
上記の違いから分析の先にあることが解析であるということに気づきましたでしょうか?「分析」と「解析」には確かに明確な違いがあるのですが、言葉が似ているようにその意味についても理解が難しい面があります。では、例を挙げながら解説していきます。
「分析」自動車を分解してその構成を知る
分析の対象となるのは多くの場合がデータ・情報です。そもそも実体が存在しないものなので、それを対象として分析も曖昧な理解になりがちです。一方で、データ・情報を物体のあるものに置き換えて考えると、分析という言葉がグッと理解しやすくなります。
例えば、自動車は数万点の部品から構成されていますが、外観から具体的にどんな部品が使われているかはほとんど確認できません。ハンドルやドアミラーなど、外観から確認できるのはせいぜい数十点ほどです。その自動車の構成をするために分析し、1つ1つの部品の役割や繋がりなどについて整理することを分析と言います。つまり物事をいくつかの要素に分けて、その構成などを知るのが分析です。
「解析」古文書を解析して意味を明らかにしていく
一方、解析についても物体を例にご紹介します。解析を理解するキーワードは「物事を論理的に明らかにすること」です。例えば目の前に古文書があるとして、そこには日本語以外の言葉で文字が書かれています。この古文書の内容を知るにはそこに書かれている文字の1つ1つを分析(考察)して、仮説・検証を行うことで意味を明らかにしていきます。これが「物事を論理的に明らかにすること」です。
つまり噛み砕いて言えば、解析とは分析から得られた情報をもとによりも細い作業を繰り返すことで物事の本質に近づくための行為ということになります。
「データ」と「情報」そして「インテリジェンス」
ビジネスシーンでは特定の領域が発展していくにつれて、そこに関わる言葉等が明確に定義されていきます。しかしながら、日本はデータ活用において一部の企業を除き後進国と呼ばれており、分析と解析という類似した言葉が混同されたままになっているのかもしれません。
英語圏では分析(アナリシス)と解析(アナリティクス)は明確に違いが定義されており、データ活用に関わらないビジネスパーソンでも理解している方は多いです。また、「データ」と「情報」という言葉も明確に定義されており、データを解析して得られたものを情報と呼びます。さらに、その情報を体系的にまとめて意思決定に影響を及ぼすものをインテリジェンスと呼んでいます。このようにビジネス用語が明確に定義されているのは、その国の市場が十分な成長を遂げている証拠にもなります。
もっと見る:マーケティングインテリジェンスとは?今こそ認識すべきマーケティングの重要性
データ分析とデータ解析、どっちを選ぶべき?
データ活用へ取り組むにあたり、様々なツールが展開されており、多くの企業がいずれかのツールを導入することでしょう。その際に「データ分析ツール」と「データ解析ツール」と異なる言葉で紹介されていることが多く、ユーザーは「データ分析とデータ解析、どっちを導入すべきなのだろう?」と迷ってしまうことがあります。
では、どちらを選ぶのが正解なのか?残念ながら、この問いに正解はありません。データ分析とデータ解析は、同じ意味として使用されることも多く、故に表記の違いだけでは類似した機能が提供されるケースは多々あります。
このため言葉の違いを意識して自社にとって最適なデータ活用ツールを選ぶのではなく、ツール各種の「何ができて、何ができないのか?」を比較しながら明らかにしていくことが大切です。ツールの多くはトライアルやデモ等を実施していることが多いので、どんどん活用した使用感を確かめることが重要です。
MI(マーケティング・インテリジェンス)によるデータ活用
本稿を読まれている方の中で、データ活用を検討している方がいらっしゃればおすすめしたいのがMI(マーケティング・インテリジェンス)ツールです。BIツールなら聞いたことがあるけれど、MIツールは知らないという方のために解説します。
MIとはマーケティング領域に特化したデータ活用ツールであり、マーケターが施策サイクルを高速に回し、効果とROI(投資対効果)を高めるのに欠かせない機能を集積したプラットフォームでもあります。その代表的なツールが「Salesforce Datorama」です。以下、Salesforce Datoramaの特徴を簡単にご紹介します。
①分散するデータの統合
広告、SNS、CRM、MA、Eメールなどあらゆるデータを集約し意味のあるレポートを瞬時に提供する。
②マーケティングに特化したダッシュボード
マーケティング活動全体を俯瞰できるダッシュボードに加えて、レポート作成からAIによるインサイト提案を行う。
③クロスチャネルでデータを可視化
クロスチャネルでデータを可視化し、目標達成に貢献しているチャネルやキャンペーンを瞬時に把握できる。
④マーケティング効果の最適化
目標・進捗管理機能、アラート機能やチャットなどのコラボレーションを通じて、マーケティングパフォーマンスを最適化する。
⑤AIを活用し、仮説を超えた仮説を生む
マーケターに代わってKPIを分析するAIと、マーケター向けに設計されたGeniusがどのデータがあるKPIに影響を与えているのか、全データに対して自動的に回帰分析と統計分析を行う。
今やマーケティング領域にもデータ活用が欠かせない局面へと突入しています。これからのビジネス時代を生き抜き、強力なマーケティング活動を実施するためにもMIツールにぜひご注目ください。
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