アトリビューション分析の概要と分析手法の具体例

 2020.03.23  Marketing Intelligence

デジタルマーケティングが示す範囲が広くなるにつれて、アトリビューション分析という分析手法が徐々に浸透していきます。しかしながら、この分析手法を日常的に活用できているマーケターは少ないでしょう。本記事では、知っているようで意外と知らないアトリビューション分析の概要と、分析手法の具体例をご紹介します。

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アトリビューション分析の概要と分析手法の具体例

アトリビューション分析って何?

アトリビューション分析は、コンバージョン(CV:ユーザー単位に設定された目標を達成すること、会員登録・資料請求・購入など)へと繋がった最終的な行動だけでなく、コンバージョンに至るまでに接触したメディアやコンテンツ、経路などの貢献度を測定することで、仮説検証の精度を向上する取り組みのことです。

マーケティング界隈でアトリビューション分析が浸透する以前は、展示会やWebメディア、FacebookなどのSNSを使った施策などは評価せずに、最終的なCVに至ったリスティング広告の運用費用のみを用いてCVあたりのクリック単価(CPA:Cost Per Acquisition)を計算するのが一般的でした。しかし、リスティン広告以外の施策も顧客やユーザーがCVへ至る要因になっていた可能性は十二分に考えられます。

普段、商品やサービスを提供している皆さんが顧客の立場になって考えてみてください。例えばマーケティングツールを導入しようと考えた際は、Google検索で表示されたリスティング広告からWebサイトに訪問して問い合わせや資料請求をする、というケースは稀ではないでしょうか?

多くの方は展示会やセミナーに参加する、Webメディアを通じてマーケティングツールへの知見を深め、さまざまな製品を知り、SNSや製品サイトを通じて導入事例などのコンテンツに触れ、ニーズが最大限に高まってからマーケティングツール(個別名)で検索し、問い合わせや資料請求というCVに至るかと思います。

つまり、リスティング広告外の展示会やセミナー、Webメディアのコンテンツ、SNSや製品サイトのコンテンツなどもCVにあたる問い合わせや資料請求に貢献しています。というよりも、これらの貢献が無ければ最終的な検索や問い合わせなどの行動には至らなかったかもしれません。アトリビューション分析はこのように、すべての接触メディア・コンテンツ・経路の貢献度を測定して、マーケティング予算やリソース分配を正しく行うことを目指す分析手法なのです。

導入事例:ネスレ日本株式会社
[PDCA]導入事例:ネスレ日本株式会社

アトリビューション分析がないとどうなる?

マーケティング活動の中でアトリビューション分析を採り入れていない場合、最終CVに近いリスティング広告やSEO(Search Engine Optimization:検索エンジン最適化)、Webサイト改善といった施策だけに予算やリソースが分配されることになります。これらの最終CVに近い施策だけに予算やリソースが偏ると、企業と顧客の直接的なコミュニケーションの場が軽視され、ブランディングやPR効果の高いコンテンツ制作やSNS運用などへの予算とリソースが不足し、マーケティング活動を全体で見た時に施策効果が激減してしまいます。

この考え方はスポーツの世界にも通じています。たとえばサッカーでは得点CVを達成した選手をよりもアシストした選手を高く評価することがあります。得点CVに至った選手の嗅覚は褒められるものですが、その得点CVを決定づけたアシストや、それまでパスをつないだ後方陣あってのものです。この際に得点CV選手だけを評価してしまうと、チーム全体として適切な評価に繋がらず、フォーメーションや戦略の見直しも適切に行えません。

野球ならばシングルヒットを大量に打つイチローのような選手がいるからこそ打線がつながりますし、バスケットボールならリバウンドやスティールなどを得意とする選手がいるからこそ得点CVを決める選手が活きてきます。

リスティング広告などCVへ至った最終的な行動だけを評価するのではなく、製品の認知拡大に貢献した展示会やセミナー、デジタル上での顧客接点を作ったWebメディアや各種コンテンツなども含めて全体的に評価するアトリビューション分析は、スポーツに例えてみると至極当然な評価基準であることが分かります。

5つのアトリビューション分析モデル

アトリビューション分析の必要性と有効性は分かっても、具体的にどのように分析へ取り組めばよいか分からない方は多いでしょう。そうした方々にまず知っていただきたいのは、5つのアトリビューション分析モデルです。ラストクリックモデル、起点モデル、均等配分モデル、減衰モデル、接点ベースモデルにはそれぞれどのような違いがあるのでしょうか?

1. ラストクリックモデル

CVに至った最終的な接触メディアや経路に100%の貢献度があると考えるモデルであり、アトリビューション分析が登場する以前は一般的に使われていたモデルです。現在のマーケティング活動にはマッチしない点が多いものの、短期間キャンペーンなど刈り取り型施策を実施する場合の評価には今でも使われています。

2. 起点モデル

最初の接触メディア及び経路に100%の貢献度があると考えるモデルです。こちらもマーケティング活動全体の評価としては不適切ですが、ブランド認知を目的としたデジタル広告やキャンペーンの測定には活用できます。

3. 均等配分モデル

顧客が最初に接触したメディアや経路から、最終的なCVに至った行動までの貢献度を均等に割り振るモデルです。アトリビューション分析の中で最も使いやすく、オーソドックスなタイプになります。汎用性が高い反面、短期手的なキャンペーン施策や認知拡大目的の施策にはマッチしない傾向があります。

4. 減衰モデル

顧客が最初に接触したメディアや経路から、最終的なCVに至った行動までの貢献度を段階的に高めて割り振るモデルです。高額商品やサービスなど、顧客のニーズが徐々に高まっていくようなビジネスで用いることが多いでしょう。

5. 接点ベースモデル

最初と最後に接触したメディアおよび経路の貢献度を多めに割り振るモデルです。主に、ブランド認知目的のデジタル広告やキャンペーンと、コンバージョンを獲得した媒体を分析するのに用います。

以上5つのモデルがアトリビューション分析において頻繁に用いられています。アトリビューション分析を実施するにあたり特別なツールは不要です。皆さんが普段から使用しているGoogleアナリティクスさえあれば可能となります。Googleアナリティクスではノーリファラー、オーガニック検索、参照サイト、有料検索、ソーシャルネットワーク、ディスプレイ、その他(メールなどのキャンペーン)のそれぞれのチャネルをまたいて分析してくれるので、それぞれがどの程度CVに貢献しているかを可視化できます。

また、アトリビューション分析を可能にするDatoramaなどのツールやコンサルティングサービスも多様に提供されているので、企業にごとに適切な分析方法を選ぶことが大切です。まだアトリビューション分析に取り組んでいないという方は、この機会にぜひ検討してみてください。

導入事例:KDDI株式会社

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