バスケット分析とは?マーケティング担当者が知っておきたい具体例も解説

 2020.07.22  マーケティング インテリジェンス チャンネル

「おむつとビール」という話をご存知でしょうか?これは米国のとある小売店にて売上データを分析したところ、「消費者がおむつとビールを同時に購入する頻度が高い」という相関関係を発見した事例です。この事例は1990年代半ばから2000年代はじめにかけて「バスケット分析(マーケットバスケット分析)」に関する講演やメディアで頻繁に取り上げられた話なのですが、現在では半ば都市伝説となっています。

1992年12月23日にウォールストリートジャーナルに掲載された「Supercomputer Manage Holiday Stock」という記事が発端だとされ、同記事では「米国中西部の都市でこの店は、ある人が午後5時に紙おむつを買ったとすると、次にビールを半ダース買う可能性が大きいことを発見した」と報じています。その小売店はウォルマートだとされたり、後にはセブンイレブンだったとされたり情報の錯誤が激しくなりましたが。現在でもバスケット分析について説明する上でよく用いられる事例です。

参照:情報マネジメント用語辞典『おむつとビール(おむつとびーる)

本記事ではそんな「おむつとビール」でも有名な「バスケット分析」についてわかりやすく解説します。

basket-analysis

バスケット分析とは?

陳列棚の配置やどういった商品を置くかによって売上に与える影響は大きく変化します。これは全ての小売事業者が知るところであり、店舗のマネージャーは日々レイアウトに頭を悩ませていることでしょう。その中でもしも「一緒に購入される可能性が高い商品」の情報があらかじめ分かっているとどうでしょうか?当然ながらその商品同士を近い位置に配置することでしょうし、これならレイアウトに悩む必要はありません。

そのためにはどんな情報を分析すれば良いのか?答えは「お客様の買い物かご(バスケット)の中を覗く」ことです。もちろん買い物途中のお客様のかごの中を実際に覗くことはできないので、売上データから分析します。お客様ごとに購入している商品を整理して、その中で良く一緒に購入されている商品は何か?を探ります。

「おむつとビール」はそういった意味で、バスケット分析を明瞭に伝えるための良い事例だと言えるでしょう。ちなみにおむつと一緒にビールがよく購入される理由は、おむつの買い出しを頼まれた父親が同時に半ダースのビールを購入しているというのが一般的な説です。

ちなみに日本では、多くのスーパーマーケットにおいて毎週木曜日になると特定の商品が売り切れやすいという現象が起きます。その理由は、「毎週水曜19:30に放送されているNHKガッテン!を視聴し、そこに紹介された食品を求める人が多い」とのことです。このようなメディアの影響も大きく受けるのが小売業であり、これらのデータを元に最適な戦略を立てることが重要と言えるでしょう。また、バスケット分析を行うことで単純にどの商品同士が購入されているかだけでなく、消費者の全体像を正確に把握することにもつながります。

 

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バスケット分析のメリット

マーケティング担当者がバスケット分析を実行するメリットはまず、店舗レイアウトを考える上でデータに裏打ちされた情報をもとに最適なレイアウトを考えることができる点です。スーパーマーケットの多くは入店してすぐ青果コーナーが敷かれており、その奥に精肉コーナや鮮魚コーナーなどがあります。その理由は、生肉や鮮魚よりも野菜の方が購入される頻度が高く、かつ献立を考えながら購入検討を進めることができるからです。

これはスーパーマーケットが長年経営してきた経験則の中から見つけ出された常識ですが、あくまで常識の範囲と言えるでしょう。もしかしたらそれを覆すうような購買行動が隠れている可能性があります。これを知るためにバスケット分析を実施すると、より最適なレイアウトを展開できるようになる可能性が高くなるかもしれません。

それ以外のメリットとしては前述のように顧客についてより深く理解することができることでしょう。マーケティングの目的は言うなれば顧客について理解し、それを基に販促活動を展開することでより効率的に商品を販売することです。バスケット分析を活用して顧客について理解できれば、販促活動を強くサポートすることになります。

ここまでスーパーマーケット中心に話を進めましたが、バスケット分析はほとんどの小売業者が活用できる分析フレームワークです。たとえばECサイトでは当たり前のようにバスケット分析が実施され、一緒に購入される可能性が高い商品は積極的にレコメンド(おすすめ)されるようになっています。

 

バスケット分析の注意点

バスケット分析を実施するにあたり、注意すべき点がいくつかあります。ポイントを押さえた取り組みが大切なので、各ポイントを念頭においていただきたいと思います。

注意点1. そもそも売れている商品は省く

店頭にて日頃から売れている商品をバスケット分析の対象にすると、データから販売傾向が読みにくくなります。よく売れる商品は組み合わせに関係なく売れることが多いため、それを含めてしまうと分析を通じて導き出した結果に不整合がある可能性が高いのです。一般的にミネラルウォーターやタバコなど、シーズン等に関係なく売れる商品に関しても省いておくのが無難です。バスケット分析を成功させるためには、「どの商品を分析に対象にするか?」を選ぶことが肝要です。加えて全ての商品を対象にすると分析に時間がかかり過ぎることが多いのでは、複数の商品にあたりをつけて分析するとより効率的に価値ある結果を導き出すことが可能です。

注意点2. 併売するジャンルに注意する

バスケット分析を実行した結果、食用油と掃除用品がよく一緒に購入されているという事実を発見したとします。「揚げ物などをした後にすぐ掃除できるように」と顧客の心理が読み取れるものの、その結果を受けて食用油と掃除用品を同じ陳列棚に並べるのは危険でしょう。食品と衛生用品というあまりにジャンルが異なる商品同士を同じ陳列棚に並べると、顧客は違和感を覚えます。そればかりか食用油がまるで「悪いもの」のように見える可能性も高いため、やはり併売するジャンルには注意が必要です。ただし、陳列棚は異なってもマーケティング施策を取り組む方法があります。たとえば特売日を同じ日にするなどして、併売される可能性が高い商品の関連性を持たせることによって売上をアップできる可能性があるでしょう。

バスケット分析を実施してみよう!

バスケット分析を行うにはまずPOSシステムから売上データを抽出し、買い物かご1つごとの販売明細や商品や商品ジャンルごとの販売データとして加工し分析する必要があります。その際におすすめなのが分析ツールの活用です。エクセルなどを用いた独自の分析活動は難しいため、専用の分析ツールを利用することで分析にかかる負担を軽減します。また、バスケット分析だけでなく様々な分析も可能なので、バスケット分析を実施する際はぜひ分析ツールの利用をご検討ください。

 

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