ブランディングとは?機能的価値と感情的価値について

 2020.07.30  Marketing Intelligence

ビジネスパーソンなら誰もが耳にしたことがある「ブランディング」という言葉。なんとなく「ブランドを形成すること?」と理解されているでしょうが、その本質を知っている方は案外少ないように感じます。本記事では、ブランディングとは何なのか?それによってどんな効果があるのか?など、ブランディングの本質をできる限り分かりやすくまとめました。ブランディングに取り組むきっかけとしていただければ幸いです。

branding

「ブランド」って何?

パリ最大のブランド街と言えばサントレーノ通り。エルメス、ゴヤール、ランバン、サンローランなど世界の名だたるブランドの多くが本店を構えています。その中には個人店を出店する職人も点在しており、しかもそれらのブランドに類似しバッグやシューズなどを販売する光景を目にすることができます。彼らはコピー商品等を販売してるのではなく、多くの職人が前述した高級ファッションブランドでデザイナーや職人として活躍していた人々なのです。このような理由から、それらのブランドに類似した商品がサントレーノ通りに並びます。しかも、ものによってはブランド商品の1/10から1/20程度の価格で販売されていることもあるのです。

使用している材質、品質、機能性などで引けを取っているわけではありません。単純に「ブランドの価値」によって価格が大きく変動しているのです。そこでショッピングを楽しむ人の多くは、職人が個人的に販売している商品に一度は気が惹かれても、最終的にはブランドショップでお気に入りの商品を購入します。

なぜなら、どんなに類似した商品でも、それはエルメスでもなければゴヤールでもないからです。「ブランド」というのは、商品が持つ材質や品質、機能性などとは全く別のところにある、ブランドが創業から積み上げてきたそのものの価値です。

ブランドの力が大きければ大きいほど、商品そのものの価値よりも「あのブランドだから」という価値基準で消費者が購入に至ります。また、企業にとっては、非常に強力な競争力になるのです。

上記では高級ファッションブランドを例に挙げましたが、全ての商品においてブランドは存在します。国産自動車ならトヨタ、外国産自動車ならベンツというように、商品ごとに大なり小なりブランドがあるものと考えられます。

 

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ブランドの価値はどうやって創造するのか?

ブランディングとはいわば、前述した「ブランド」という付加価値を創造することが目的です。ブランド力が強ければそれだけ多くのユーザーをファン層として巻き込むことができ、高い競争力を生み出します。ブランディングではよく、次のような施策を展開するようにとアドバイスを受けることがあります。

  • デザインをカッコ良く・可愛くする
  • 業界の権威者の推薦を受けるよう依頼する
  • 価格設定を相場よりも引き上げる
  • 機能性や品質を高める Etc.

これらの施策は、一部で競争力を高めることには貢献するものの、実はブランド価値の創造にはつながりません。デザイン・機能性・品質・権威者の推薦などによって消費者がその商品を選んだとしても、それ以上に優れたデザインや機能性などを備えている商品が現れれば、消費者は簡単にそちらに流れてしまいます。

ブランディングというのはあくまで「あのブランドだから」という価値基準で消費者が商品を購入し、かつそのブランドとの関係性を維持するように働きかけるブランド価値を生み出す活動です。では具体的に、ブランド価値創造はどのように取り組むものなのでしょうか?

 

ブランドを形成する機能的価値と感情的価値

ブランドを形成するのは「機能的価値」と「感情的価値」だとされています。2つにフォーカスしてブランド価値の創造を目指すことで、ブランディングによる効果を最大化できるということです。

機能的価値

これは消費・サービスが持つ基本的な価値であり、品質や機能性に関わる部分が多いのが特徴です。例えばコーヒーショップなら「美味しいコーヒーを提供すること」、スマートフォンならば「高画質なカメラが備わっていること」などです。先ほど、『「ブランド」というのは、商品が持つ材質や品質、機能性などとは全く別のところにある』と説明しましたが、やはり商品・サービスが一定の品質に達していないことには話は始まりません。

このため、ブランディングへ取り組むにあたっては一定の機能的価値を商品・サービスに付けることがスタートラインになります。ただし、機能的価値だけでブランド価値が創造できないことは前述した通りです。そこでより重要になるのが、後述する感情的価値となります。

 

感情的価値

感情的価値とは文字通り、「消費者の感情に働きかける価値」を意味します。高級ファッションブランドで例を挙げるとすれば、エルメスのバッグを所持していることで得られる満足感がそれに該当します。

他の例も挙げてみましょう。自動車業界においてアウトドア付きのドライバーに人気の高い車種といえばジープです。しかし、日本国内において砂漠を横断したり、自動車で川を渡ったり、ゴツゴツとした岩肌を走り抜けることなどほとんどありません。つまり、アウトドア好きであっても国産の車種で十分なのです。しかし彼らはジープを好みます。

なぜなら、ジープが4WD・SUVという分野においてアウトドア付きのドライバーに多大な支持を得るほど無骨で荒々しいというブランド価値を創造しているからです。このためジープを運転しているドライバーが、日本の安全な行動を走行していても「冒険しているようなワクワク感」を常に感じることができ、それがジープの感情的価値につながっています。ブランディングでは機能的価値はもとより、この感情的価値をいかに高めるかが重要になります。

感情的価値に欠かすことができない「ブレないコンセプト」作り

商品・サービスが持つコンセプトというのはいわば「世界観」のようなものです。前述したジープが販売しているアウトドア向け車種のラングラーは、一貫してアウトドアをコンセプトとしています。カタログなどで扱われる写真では、公道で走行しているようなものはまれであり、多くが砂漠・山中での走行写真を掲載しています。つまりアウトドア好きに向けた作りになっています。パンフレットはさることならがラングラー自体のデザインや機能性なども、多くがアウトドアを想定したものです。これは長年受け継がれている「ブレないコンセプトが」あるからと言えます。

皆さんの会社で販売している商品・サービスにも何らかのコンセプトがあるかと思います。もしもそれらにブランド力が低いと感じれば、それはコンセプトにブレがあるという可能性が考えられます。しかし、「ブレないコンセプト」を作ることは容易ではありませんし、一朝一夕で成るものでもありません。しかし、時間をかけてゆっくりと、試行錯誤を繰り返しながら取り組んでいけば必ず独自のブランドコンセプトを持つことができます。

ブランディングによってブランド価値を高めたい。もしもあなたがそう考えているのならば、まずはブランドコンセプトをじっくりと考えてみましょう。

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