クロス集計分析とは?マーケティング担当者が知っておきたい具体例も解説

 2020.08.26  マーケティング インテリジェンス チャンネル

マーケティング担当者は、自社の商品やサービスそして、それらを利用する顧客について幅広い視野で調査する必要があります。そこには様々な手法があり「クロス集計分析」もその一つです。マーケティングに関わる分析フレームワークの中でも基本とされているクロス集計分析は、一体どのようなものなのか?本記事ではマーケティング担当者が知っておきたいクロス集計分析について、具体例を交えながらご紹介します。

cross-tabulation-analysis

クロス集計分析とは?

「集計」という言葉は、主にアンケートなどの調査を実施した際に得た回答を特定のルールに従ってまとめることを指します。そして集計のやり方には「単純集計」と「クロス集計」とがあり、クロス集計分析は文字通り後者の集計方法によってデータを分析することを意味します。

まず、単純集計とはどういうものなのか?以下のようなアンケートを実施したと仮定してご説明します。

 

Q1. あなたの性別を教えてください

□男性

□女性

 

Q2. あなたが主に利用する移動手段は何ですか?

□電車

□自動車

□自転車

□徒歩

 

このアンケートに1,000人の人が回答し、そこから様々な返答を受けて次のような表を

作成しました。

 

Q1. あなたの性別を教えてください

  回答実数 回答比率
男性 650人 65.0%
女性 350人 35.0%

 

Q2. あなたが主に利用する移動手段は何ですか?

 

  回答実数 回答比率
電車 530人 53.0%
自動車 240人 24.0%
自転車 190人 19.0%
徒歩 40人 4.0%

これが単純集計です。それぞれの設問で得られた回答を単純に集計したことで、設問ごとの回答実数と回答比率が判明します。次にクロス集計とは、2つ以上の設問の回答を掛け合わせて集計し、回答の実数と比率を見ることで細部に至るまで結果を精査するためのものです。

 

「Q1. あなたの性別を教えてください」×「Q2. あなたが主に利用する移動手段は何ですか?」のクロス集計

<回答実数>

  電車 自動車 自転車 徒歩 全体
男性 350人 150人 140人 10人 650人
女性 210人 90人 50人 30人 350人
全体 560人 240人 190人 40人 1,000人

 

<回答比率>

  電車 自動車 自転車 徒歩 全体
男性 55.3% 23.0% 21.5% 1.5% 65.0%
女性 60.0% 25.7% 14.2% 8.5% 35.0%
全体 56.0% 24.0% 19.0% 4.0% 100.0%

 

このように複数の設問の回答結果を掛け合わせてクロス集計を行ってみると、単純集計からは読み取れない事実があります。たとえば、回答実数だけで見れば電車も自動車も男性の方が多く利用していますが、回答比率でみると女性の方が多くなっています。また、男性で唯一回答比率が女性を超えているのが自転車という結果になりました。

クロス集計分析によって得られる事実は様々であり、それらを分析することによって顧客に関する様々な知見を得ることが可能です。これが、クロス集計分析です。

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クロス集計分析のメリット

クロス集計分析のメリットはまず、「誰で気軽に分析できる」という点です。「分析」と聞くと拒否反応を示す方も多いかもしれませんが、クロス集計分析はデータ量が少ない場合には ある程度エクセル操作ができれば簡単に実施できるのが特徴です。実際にエクセルなどの表計算ソフトにはクロス集計分析を実施するための機能が用意されており、値を入力するだけで簡単にクロス集計ができます。集計した表をグラフに置き換えることも可能なので、様々な視点からアンケート結果を分析・可視化することができます。

もう1つのメリットは、「掛け合わせる情報を変えるだけで視点を変えられる手軽さ」です。通常、アンケート調査では10以上など多くの設問を設けることが多いでしょう。それらの設問を2つ以上組み合わせてクロス集計を実施すると、色々と面白い事実が判明することが多々あります。また、組み合わせる情報を1つ変えるだけでも分析の視点を変えられるので、たった1回の集計で様々な知見が得られるというのもクロス集計分析がよく利用される理由です。

クロス集計分析の注意点

クロス集計分析はその手軽が大きなメリットなので、全てのマーケティング担当者に是非とも実施していただきたい分析フレームワークです。ただし、クロス集計分析にも注意点がいくつかあります。

注意点 1. クロス集計を行うにあたり単純集計も重要

効率よくクロス集計分析を行うためにはまず、単純集計によって属性や設問などを整理する必要があります。「クロス集計をするのだから単純集計は不要」という考え方は間違いであり、基礎がなければ応用ができないように、単純集計はクロス集計の基礎となる部分です。ですので、単純集計によって十分なサンプル量があることを確認し、基礎を怠らないことが大切です。

注意点 2. マトリクスを多用すると情報が錯誤する

アンケート調査時に用いられる設問形式がマトリクスであり、横軸と縦軸で商品やサービスに関する評価を受けるなどのシーンで活用されます。マトリクスはより精度の高い回答が得られる反面、クロス集計にかける際にデータ分布が激しくなる傾向から、多用してしまうと情報が錯誤する恐れがします。ですので、重要なポイントではマトリクスを詰め込まずに調査を実施する方がより正確な情報を得られることが多いでしょう。

注意点 3. 回収サンプルが少な過ぎると有効な結果が得られない

全体として100程度のサンプル量でアンケート調査を実施し、クロス集計を行うとクロス集計軸のサンプル量の母数が一桁台になることがよくあります。これではクロス集計分析を実施しても有効な結果が得られなくなってしまうので、ある程度のサンプル量が必要になることを心がけましょう。

 

以上の注意点を念頭に置いておくとクロス集計分析をより効率的に実施できます。

 

クロス集計分析もサンプル量が多様化すると複雑になる

クロス集計分析を実施し始めると、「もっと多くのサンプル量で分析がしたい」と自然に考えるようになります。クロス集計分析は単純ながら奥が深いものです。実際に様々な知見を導き出せるのが楽しくなりますし、ビジネスに役立つ知見が得られるケースも多々あります。ところが、分析すべきサンプル量が多様化すると途端に複雑になり、エクセルなどでは対応できない可能性もあります。また、データ量が多いとエクセル操作を鈍化させストレスになることもしばしばあるでしょう。

そこで、クロス集計分析を含む複数の分析フレームワークがセットされたデータ分析ツールの利用をおすすめします。大量のデータでもツールに取り込むことで半自動的に分析が行われ、直感的に理解しやすいUIによって分析結果を有用な情報へと置換できます。クロス集計分析に限らずデータ分析へ取り組む際は、ツールの利用を検討してみましょう。

導入事例:ダイキン工業株式会社

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