メール配信システムの選び方、失敗しないための完全ガイド

 2020.04.15  Marketing Intelligence

メルマガは最も始めるのが簡単なマーケティングであることから、もしかすると明日 皆さんの企業で導入されるかもしれません。さらに「今日から君メルマガ担当ね」なんて指示が出る可能性も考えられます。(実際多いです)

そこで必然的にメール配信システムの導入を迫られることになりますが、どのサービスを選んだらいいのかなんて正直分かりませんよね。

だからと言って失敗するわけにいかないのが会社というものです。

そこで、ここではメール配信システムの選び方を「完全ガイド」します。

いきなりメルマガ担当者に選ばれた、メール配信システムの選び方が分からないマーケティング担当者の方などなど、皆さん是非参考にしてください。

また、メールマーケティングは行っているけど、それが正しいものなのかどうか 疑問を持っている方や、どうも今のメルマガ配信システムは使いづらい、最近はやりのマーケティングオートメーションツールに移行したいという方も是非一度ご確認ください。

メール配信システムの役割

メール配信システムを何のために導入するのか?こう聞かれて「多くのユーザーにメールを配信するため」と思い浮かべる方がほとんどかと思います。

しかしこれは、半分正解で半分間違いです。

確かにメール配信システムはメール配信を可能にするシステムではありすが、メールを配信するそもそもの目的を考えてみてください。

「レコメンドメールで販促につなげたい」

「メルマガを始めてサービス・製品の認知度を上げたい」

「企業ブランディングで顧客ロイヤリティやLTVを向上させたい」

「メルマガアフィリエイトを始めたい」

このように、企業や人により様々ですが必ず何かしらの目的を持ってメール配信を始めますよね。

メール配信システムはそんな目的を支援するためのツールです。

決して「大量のメールを配信するためのツール」ではありません。

この認識が後々に大きく響くので、しっかりと念頭に置いておいて欲しいと思います。

メール配信システムの選び方

それではメール配信システムの選び方をステップごとに紹介していきます。

長いですが、どうぞ最後まで読んでみてください。

STEP01. システム導入の目的を明確化

メール配信システムの選び方でまず最初にすることは、各サービスにどんな機能があるのかを確認するのではなくシステム導入の目的を明確にすることです。

多くの方がいきなりサービスの比較から始めますが、目的も定まっていないのに最適なシステム選定が出来るのでしょうか?

答えはもちろん「NO」ですね。

具体的な目的の設定方法ですが、まずは現状のマーケティング課題もしくはメール配信を通じて実現したいことをまとめてください。

いくつも目的があってもコンセプトがブレてしまうので、それらを統合し一つの目的を定めましょう。

目的が定まったらKGI/KPIを設定してください。

KGI(経営目標達成指数):達成すべき目的を期間と具体的な数値で表したもの

KPI(重要業績評価指数):KGIに対し、順調に達成に向かっているかを評価するための指標

簡単な例を挙げると、KGIが「半年間でCV率50%アップ!」ならばKPIは「1ヶ月目5%アップ達成、2ヶ月目10%アップ達成、3ヵ月目25%アップ達成…」といった具合に設定します。

「KGI=最終的なゴール」「KPI=ゴールへ向かう途中のチェックポイント」と解釈すると分かりやすいでしょう。

STEP02. ターゲットを明確化

目的が明確になれば、次はターゲットを明確にしなければなりません。

目的同様にターゲットも明確になっていなければ最適なシステム選定は実現しないので。

まずは自社のビジネスモデルがターゲットとしているユーザー層から、さらに掘り下げた人物像を想定します。

つまり、「ペルソナ」を作成するわけですね。

ペルソナとは、ユーザーの属性を絞り込んだターゲットに対しさらに架空の人物像を作り上げ、その人物像を中心にマーケティングを展開するというものです。

年々多様化するユーザーニーズに対しペルソナはどんな業種でも重要視されており、メール配信に関しても例外ではありません。

現代ビジネスにおいて不特定多数に配信するメールはユーザーに「響かない」のです。

ペルソナ作成の方法はこちら「ペルソナの作り方とその実例の記事で細かく紹介しているので、是非参考にしてください。

STEP03. 配信数を想定する

目的・ターゲットの設定まで完了したら、次にメールの配信数を想定しましょう。

サービスによっては配信数を基準にプランや料金が変動するので、「なんとなくこれくらい」で決めるのではなく明確に想定してください。

「設定した目的を達成するためにはどれくらいの配信数が必要か?」を基準に考えるといいと思います。

ここで注意して欲しいのは「配信数が目的になってしまわないこと」です。

皆さんがメール配信システムを導入する目的はただメール配信をするだけですか?

[PDCA]導入事例:ネスレ日本株式会社
導入事例:株式会社デジタルアイデンティティ

有料メルマガを配信するのであればそれでもいいでしょうが、無料でメール配信する場合本来の目的は別にあるはずです。

配信数を目的にしてしまうことはメール配信システム導入で失敗する大きな原因なので十分に注意しましょう。

ただし、KPIとして配信数を設定してKGIの評価指数とするのはOKです。

STEP04. 機能要件の洗い出し

配信数の想定が完了したら、次に機能要件を洗い出してください。

つまり「設定した目的を達成するために必要な機能は何か?」を考えるということです。

まずは「こんな機能があったらいいな」「あんな機能があったら便利」という案をガンガン出し合ってください。(担当者一人なら紙に箇所書きしてください)

この段階で「それはいらないんじゃない?」という否定はせずにいきましょう。いわゆるブレストをするわけですね。

そして案を出し切ったら、今度は必要のないと思う機能をバッサバッサと切り捨てていきます。

ブレストとは反対に一切の感情を捨てるくらいの勢いで構いません。

※ただ切り捨てていけばいいというものではないので、しっかりと考えた上で行ってください

そうしていくうちに「これは絶対に必要だろう」という機能が自然と残っていきます。

それをさらに煮詰めていけば機能要件が完成するでしょう。

かなりシンプルな方法に感じますが、有効的な要件定義方法なので是非実践してください。

STEP05. 導入形態を選択する

要件定義が完了したら、それをもとに導入形態を選択します。

メール配信システムは「クラウド(SaaS)」もしくは「オンプレミス」2つの選択肢があります。

以下に両者の解説を行いますが、どちらも知っているという方は読み飛ばしてもらっても構いません。

01. クラウド(SaaS)

クラウドを端的に説明すると「インターネットを経由してシステムやアプリケーションを利用するサービス」です。

つまり、ユーザーは手元にインターネットに接続できる環境とPCさえあればシステムが利用できるようになります。

もう一つ、月額利用料も必要ですね。

クラウドを利用するメリットとしては、自社サーバの設置が必要なく迅速に導入出来る点でしょう。

なので、情報システムがいない企業ではクラウドでの導入に選択肢が限られると思います。

これ以外にも導入コストがほぼかからなかったり、外出先からでも利用できるというメリットにも注目です。

クラウドはベンダーが保有するシステムをインターネット経由で利用するという性質上、利用できる機能は固定しています。

ですので先の要件定義で必要と判断した機能が使用できない可能性もあります。

ただ、最近では各サービスで機能が充実しているので「似たような機能」を見つけることは出来るでしょう。

02. オンプレミス

インターネット経由で利用するクラウドに対し、オンプレミスは自社サーバを設置してメール配信システムを導入します。

システム構築の選択肢としては、自社開発・開発委託・パッケージ導入のいずれかになるでしょう。

選択肢を見て分かる通りオンプミスでの導入には情報システムが必要不可欠ですね。

メリットとしては柔軟なカスタム性です。

要件定義に合わせて必要な機能を自由に実装させることが出来るので、自社オリジナルのシステムを構築することが出来ます。

デメリットはやはり導入コストでしょう。サーバ調達やシステム構築までの工数を考えると、かなり大きなコストが必要になるでしょう。

また、保守運用にも人的リソースを割かなければならないので導入後もコストがかさみます。

以上の解説を踏まえ、クラウドで導入するかオンプレミスで導入するかを選択してください。

STEP06. 必要な機能を確認する

導入形態を選択したらいよいよ各サービスの比較ですが、まずは基本的な機能を実装しているかを確認しましょう。

以下に重要だと思う順に基本機能をまとめてみました。(一斉配信機能は基本中の基本として除外しています)

01. エラーメール

エラーとなったリスト(メールアドレス)への配信を自動停止。これがないとスパムメール扱いされる可能性が高いのでかなり重要。

02. 重複配信防止

重複したリストへの配信を防止。無駄なコストを省きます。

03. セグメント

リストに登録されている情報をもとにセグメンテーションしメール配信。性別・年代・地域などセグメント項目は各サービスによって異なる。

04. 独自ドメイン

自社ドメインを用いてメール配信出来る機能。よく別ドメインでメルマガ配信をしている企業が見受けられますが、ユーザーに信頼感を与えることを前提にすると独自ドメインは重要です。

05. 名前差し込み

メール文の冒頭にユーザーの名前を差し込む。親近感を与えられる。

06. ステップメール

予め設定したメールを指定したタイミングで配信。CVの導線引きに活用。

07. メール解析

開封率やリンククリック率などを解析。メール最適化のために。

08. 登録機能

Webフォームからの登録や空メールでの登録など様々。多種な登録方法があるとユーザビリティが向上する。

09. 時間指定配信

指定した時間になったらメールを配信。業務効率化に便利。

10. 自動配信停止

指定した時間帯でのメール配信を停止。ユーザーに疎まれないためには大切。

11. HTMLメール

画像埋め込みや文字にエフェクトを持たせたHTMLメールを簡単に作成。印象力アップに。

12. パーソナライズ

名前の差し込みだけでなく、コンタクト情報の個別の内容を差し込める機能やユーザーの属性毎に切り分ける内容などパーソナライズ機能。クリック率、開封率の向上に。

以上がメール配信システムの基本機能なので、これらの機能が備わっているかしっかりと確認しましょう。

STEP07. 不要な機能を排除

基本機能を実装しているかを確認したら、次は不要な機能を実装しているシステムを除外しましょう。

よくありがちなのが「多機能」をアピールしているメール配信システムに惹かれて導入したはいいものの、結局ほとんどの機能を使用せず無駄なコストがかさみ導入に失敗したという事例です。

すでに定義した要件をもとに、不要な機能を実装しているサービスは除外し、必要な機能だけを備えているサービスをピックアップしてください。

STEP08. 信頼性の確認

必要な機能だけを実装しているサービスをピックアップしたら、システムの信頼性を確認しましょう。

信頼性の確認は以下の3つのポイントを重視してください。

01. セキュリティ

サイバー攻撃が増加している中、セキュリティは信頼性において最も重視すべき点です。

不正アクセスされリスト情報が全て流出なんてことになれば、企業の損失は測り知れません。

SSL暗号化対応やウイルス・マルウェア対策、IPS/IDS(不正侵入検知システム)、ファイヤウォールなどセキュリティ要件を細部まで確認しておきましょう。

02. メール到達率

実はメール配信システムでは、各サービスによって「メール到達率」というものがあります。

配信されたメール総数に対しどれくらいのメールがしっかりとユーザーのもとに届いたかという指標なのですが、当然メール到達率は高ければ高いほどいいですね。

ピックアップしたサービスのメール到達率をしっかりと確認し、一つの選定基準としてください。

03. サーバの安定性

クラウドでメール配信システムを導入する際は、ベンダーがサーバの保守運用を行っているのでサーバの安定性に着目する必要があります。

サーバ稼働率が高ければ高いほど機会損失を避けることが出来るので確認は必須です。

STEP09. 料金を比較する

いよいよ各サービスの料金を比較するわけですが、クラウドかオンプレミスかにより比較方法が異なるのでそれぞれに分けて解説します。

01. クラウド(Saas)の場合

クラウドメール配信システムの料金モデルは、一般的に管理するメールアドレス数や配信数、オプション機能の有無によって区別されています。

なので、「STEP03」で想定した配信数をもとに各サービスの最適なプランを割り出し料金比較を行いましょう。

また、初期費用はほとんどのサービスで無料~数万円程度(利用度合いにより異なる)なので、あまり気にせずあくまで毎月の利用料で比較した方がいいと思います。

02. オンプレミスの場合

自社開発を除けば、オンプレミスの場合サーバ調達・パッケージインストール・システム構築・稼働検証・保守運用・アップデートなど、様々なコストが関わってきます。

さらにランニングコストもかかるので、5年運用で考え総コストを比較してください。

クラウド・オンプレミスで共通している注意点としては、表面上の料金だけに囚われないことです。

どんなに低価格なシステムを導入しても、そもそもの目的が達成できなければ意味がありません。

「どれが一番低価格か?」ではなく「どれが一番費用対効果が高いか?」を視点に比較してきましょう。

STEP10. サポート体制を確認する

メール配信システムの選び方最後のステップですが、ベンダーのサポート体制をしっかりと確認しておきましょう。

特に初めてメール配信システムを導入する場合、必ずと言っていいほど何かしらのトラブルが発生します。

そんなときベンダーのサポート体制が薄いと対処が遅れ、機会損失となる可能性がありますね。

サポートは24時間か?電話対応はあるか?サポートの範囲は?など、事細かくチェックしてください。

マーケティングオートメーションツールという選択肢

今、多くの企業が単一のメルマガ配信システムからマーケティングオートメーションツール(MAツール)への移行を行おうとしています。弊社のお客様はほとんどがこのパターンです。理由は単純でMAツールには、一般的なメール配信システムの機能を備えていることに加えて、SEOやコンテンツ管理、リード管理、ナーチャリング、スコアリング、各種分析機能といった豊富なマーケティング機能が備わっているからです。それでいて価格的にはあまり変わらないことからメルマガ配信システムとしての選択肢に入れることは必須と言えるのです。例えばHubSpotの価格を確認し比較してみてはいかがでしょうか。きっとメール配信以上のメリットが得られるはずですよ。

まとめ

長々と続きましたが、以上がメール配信システム選び方の全てです。

「メール配信システム一つ選ぶだけでここまで大変なのか…」と思われたかもしれませんが、最適なシステムを選定し導入に失敗しないためには全て必要なことでしょう。

最後に、選定したメール配信システムに「無料トライアル」があれば必ず実施してください。

どんなに念入りに選定しても実際に使用したわけではないので100%最適とは言えません。

特にユーザインターフェースに関しては触れてみないと分からないことも多いので、「最後の最後の選定基準」として組み込んでおいてください。

本稿でより多くの方がメール配信システム導入に成功していただけば幸いです。そして導入した方は「メルマガで開封率とクリック率を向上させるには」をご覧いただきメールマーケティングを成功に導いていただければ幸いです。

導入事例:株式会社オムニバス

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