これからのマーケティングとセールス - HubSpot INBOUND 2015レポート in Boston

 2020.04.15  Marketing Intelligence

2015年9月8日から11日まで、米国ボストンにてHubSpotのプラットフォームを利用中の企業、パートナー企業、その他周辺製品サービスを展開している企業の方を中心とした年次イベント「INBOUND 2015」が開催されました。

INBOUNDは、2012年に2,800人から始まり、2013年に5,500人、2014年10,300人と急成長としてきた世界最大級のマーケティングイベントです。今年2015年ではおおよそ14,000人のマーケティング担当者が世界中から集まり、マーケティングとセールスを含めたインバウンドなビジネスがどのように行われていくべきなのか、そのためには何をすべきなのか、など多くのKeynoteやセッションが行われました。

 

これからのマーケティングとセールス - HubSpot INBOUND 2015レポート in Boston 1 INBOUNDへの参加者数の推移:(出典) http://www.slideshare.net/HubSpot/what-is-inbound-50717502
 

また、開催期間で最大となるHubSpot社のKeynoteでは ソフトウェアがどのように改善されたか紹介する新機能追加発表など が行なわれ、去年のKeynoteで発表されたCRMへの追加機能などの新機能が発表されました。(その他のセッションを含める200近いセッションがこの4日間に行われました)。

これからのマーケティングとセールス - HubSpot INBOUND 2015レポート in Boston 2 HubSpot INBOUND Keynote風景

 

HubSpot社は製品の情報を一方的に押し付けるような企業の旧式なマーケティング活動は時代に適しておらず、求められ教育的で適切な情報をその情報を欲している人たちに適切なタイミングで届け、それらが人々の役に立つことによって見込み客を惹きつけ、そして顧客化するという”インバウンド”な哲学を元に形成されています。

現在では全世界に15,000社を超える企業がHubSpotを導入し、インバウンドな思想を幹として成長を遂げています。数年前までは”HubSpot=インバウンドマーケティング”、という観点で語られることが多くありました。しかし、現在はインバウンドで獲得した見込み客や顧客をより把握するために最適なCRMも展開し、企業がすべての”Movement“をインバウンドで行うように製品を開発と改善が今も行なわれ続けています。

INBOUND2015で発表された新機能とは?

まずは、INBOUNDで恒例となっている新機能発表を行う共同創業者でCTOのダーメッシュ・シャア氏と共同創業者でCEOのブライアン・ハリガン氏の登壇前に上映されたKeynoteオープニングムービーをご覧ください。

こちらのビデオは、INBOUND2015のKeynoteの準備をしているブライアンがダーメッシュを探しに行き、ダーメッシュが開発しているシステム(機械)に触れ誤って感電してしまうところから始まります。感電してしまったブラインとダーメッシュは(ファミコン風の)ゲームの世界に入り込んでしまいますが、現実の世界で行なわれるINBOUND2015の開催されるボストン会場に向かわなければいけません。そのブライアンに様々な敵が立ちはだかります。こちらに出てきているファミコン上のボスキャラクターは、旧来のマーケターやセールスをキャラクター化しており、最初の牛型のキャラ(再生時間2:30辺り)は広告を興味関心に関係なくアウトバウンドに発信する従来型のマーケターを表現。次のロボットはスパムメールを送り続けるロボット(再生時間2:55辺り)、次は電話をかけてきまくるセールス鮫(再生時間3:33辺り)です。ダーメッシュとブラインは、昔懐かしいファミコンの世界に住むアウトバウンドな敵を倒し、現代のINBOUND2015の会場に戻り新機能を発表するKeynoteが始まる、というストーリーでした。

そのKeynoteの中で発表され、今後日本でも相性がよく注目もされることになるであろう4つの発表についてお伝えします。

一つのダッシュボードで全てをレポートするREPORTING ADD-ON

この機能は、リードプラスとして本当に欲しかった機能の一つです。HubSpotの場合、各コンポーネント毎(EメールやCTA、ランディングページ、SEOなど)のレポーティング機能は非常に優れていたのですが、全体を俯瞰するレポーティングが弱く、リードプラスではCDATA社のHubSpot用ツールなどを用いてデータをエクスポートしてMicrosoft Excelで集計するなどを行っていました。(補足:HubSpotでは、各レポートでExport機能を用いて、はき出すことは可能ですが、このCDATAのツールを使うとHubSpotのスキーマ全体の情報を取得できるため便利でした)

HubSpotのReporting Add-onは、マーケティングデータや販売データを分析するのに必要なレポートを、カスタマイズ可能な1つのダッシュボードにまとめて表示してくれます。マーケティング活動全体を俯瞰しながら個々のアクションへとドリルダウンすることが可能になります。残念ながら有償のオプション($200/月)ではありますが、その価値は非常に大きいとリードプラスでは判断しています。

 

これからのマーケティングとセールス - HubSpot INBOUND 2015レポート in Boston 3 HubSpot Reporting Add-On画面

 

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HubSpotがSSLを既存客へ無償提供

こちらも大きなニュースなのですが2015年9月現在大きな情報源がHubSpotから提供されていません。(既存顧客へ順次β版を無償提供開始中)
Keynoteでの発表内容を要約しますと、この新機能の発表はGoogleがセキュアな環境(SSL)を検索アルゴリズムの一部として考慮し、重要視しているおり、HubSpotではそれを2クリックで可能にした、というものでした。

これからのマーケティングとセールス - HubSpot INBOUND 2015レポート in Boston 4 KeynoteでHubSpotで無償SSLを発表する風景

 

日本では、ウェブサイト、特にプロフィール情報を入力するページなどではSSL化されているかどうかがセキュリティの観点から気にされる箇所です(今までもSSL環境はHubSpotから提供されていましたが、別途費用とプロセスが必要でした)。
これからはそのような心配をする必要が減り、よりセキュアな環境でインバウンドマーケティングを行うことが可能になります。(セットアップの方法はこちら:How to set up SSL for a HubSpot website

Ads Add-On 〜HubSpotへ広告配信機能の搭載〜

新機能の広告配信機能では、B2B企業に対して絶大な親和性をもつLinkedInへの広告配信機能(残念ながら日本ではそこまで普及していませんが)と、Google広告(Google Adwords)(既存顧客向けβ版が順次提供されていく予定)との連携です。
これまで多くのHubSpotを導入検討されている方、また導入中の方からよく伺ってきたことのひとつに”広告配信ができるかどうか”というものがありました。
実はHubSpotを利用している方たちの多くが広告配信も行っており、今回のアップデートで広告配信のプロセスもHubSpot内に取り込むことによって、さらに包括的にマーケティングを行うことが可能になります。

これからのマーケティングとセールス - HubSpot INBOUND 2015レポート in Boston 5 HubSpot ADS ADD-ON

 

上記の画像では少々見ずらいのですが、この機能の一番大きな特徴はROI(右上の緑のアイコン)を測れることにあります。今までの広告配信での数値を測る際の指標はCPC(クリック単価)でした。
その指標をCPA(顧客獲得単価)においたとしても、広告プラットフォーム、CRM、顧客管理システム、メール配信システムなどにまたがる広告から獲得した見込み客を顧客化した場合、その数値化は困難でした。
HubSpotのAds Add-Onでは、CPA(顧客獲得単価)を測定し、クリック単価ではなくマーケティングの観点から広告がどれだけの顧客化を実現したかをエンドツーエンドで計測するように設計がされています。

HubSpot Connect(連携サービス/ツールの拡充)

写真が見づらく申し訳ないのですが、こちらの連携サービスやツールが充実し、より多くの製品サービスをHubSpotが“ハブ”となりながら利用することが可能になりました。

これからのマーケティングとセールス - HubSpot INBOUND 2015レポート in Boston 6 HubSpotと連携するさまざまなソリューション

 

日本では何でも自社開発を行いがちですが、HubSpotではそういったことは行わず、外部の優れたツールでインバウンドな利用目的ができる製品は、HubSpotを“ハブ”にしてインテグレーションをさせて機能を拡充させていきます。クラウドインテグレーションが可能になるので非常に便利ですね。結果として、必要な人が必要な機能をHubSpotに追加し、よりシームレスにマーケティングやセールスができるように製品が開発されています。

HubSpotと連携可能なサービス

ここでは、日本でも向いていると思われるインテグレーションサービスの一部をご紹介します。

動画ホスティングサービスのWistia

ビデオマーケティングというとYouTubeを思い浮かべることが多いと思います。しかし、YouTubeの最大の弱点はリード取得ができない点です。Wistiaでは、動画の視聴状況によってリードスコアリングや、セグメンテーション、リードナーチャリング(見込み客育成)をおこなうことができます。さらに、対象となる動画のどの箇所を見ているかなどを分析し、その結果をHubSpotのデータベースからもシームレスに確認することができます。
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その他にも動画の途中にメール入力フォームを埋め込むなどが非常に簡単に行うことができます。

たとえば弊社では、HubSpotのデモビデオをWistiaにホスティングしてメールアドレスを取得するようにしています。研修やセミナーなどの教育的コンテンツや製品サービスの紹介の動画をWisitaを用いてホスティングさせると、動画の再生最中にメール入力をしてもらうようなフォームを簡単に作ることができ、リードジェネレーションやリードナーチャリングを簡単にすることができるようになります(当然HubSpotヘそのデータは自動的に格納されます)。

オンラインでアンケート調査を行えるSurveyMonkey

SurveyMonkeyはウェブアンケートを作成し、ネットリサーチやアンケートの調査を行うことができる製品サービスで、インバウンドメソドロジーでいうところのCloseやDelightで特に力を発揮します。
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例えば、NPS(Net Promoter Score)などをトリガーにしてフォローアップメールを配信したり、顧客化した人たちに対してどのようなコンテンツに対して興味をもっているか、どのようなコンテンツを希望しているか、などの調査を行うことができます。
特にコンテンツの企画自体をブラッシュアップしたり、顧客満足度を測るなどする際には威力を発揮します。

オンラインセミナーを行うCitrix GoToWebinar

セミナーというと会場まで出向いての聴講スタイルを思い浮かべるかもしれません。しかし地理的に参加できなかったり、時間がなかったり様々な理由で参加できないケースが殆どです。特に意思決定者は忙しくセミナーの参加もままならない場合が殆どでしょう。もし、オンラインで簡単にセミナーを聴講できたら主催者側も準備が楽ですし、聴講するほうも空いた時間に気軽に参加できます。そのような場合には、HubSpotと簡単にインテグレーション可能なシトリックス社が提供するGoToWebinarがオススメです。GoToWebinarを活用することでリアルタイムのオンラインセミナーはもちろんのこと、場所や時間に左右されないセミナー受講が可能になるため、くまなくリードを獲得できるだけでなく、人々の時間を遮らずに有効活用可能なインバウンドなセミナー開催が可能になります。デスクトップやアプリケーション配信技術で定評のあるシトリックス社の真骨頂ともいうべき動画配信の質の高さが高品質なオンラインセミナーを実現できるでしょう。

その他にも、SlideShare、Salesforce、Zendesk、Wordpressなど日本でも馴染みのツールと連携を行い見込み客獲得や顧客化、顧客満足度を高めることができます。

※リードプラスでは、これらのツールの導入支援や設定支援なども行っています。ご希望される方はお問い合わせいただければ幸いです。

インバウンドマーケティングからインバウンドへ

マーケティング担当者にとってHubSpotの動向を探ることは最先端のマーケティングをいち早く取り入れるための一つの手段であることは間違いありません。

多くの企業がインバウンドマーケティングを進めていくと、次に今までの営業スタイルがガラッと変わることを理解しておく必要があります。今回のINBOUNDのセッションでCRMを中心とした話が多かったのも納得できます。

弊社のお客様(B2B企業)でもインバウンドマーケティングからの売上が全体の売上の80%を超える企業があります。その企業のマーケティング担当者はペルソナを定義し、そのペルソナ向けのコンテンツをSubscriber用、Lead用、MQL用、SQL用と徹底的に企画しています。ナーチャリングプロセスは、かつて営業が行っていたプロセスに当てはめてオートメーションツールで実装しています。問い合わせからRFPや見積り依頼が飛んでくるなんてことも普通にあります。

「インバウンドマーケティングとは」でも言及させていただきましたが、このインバウンドマーケティングを実践していくと、今まで営業が行ってきたプロセスをマーケティングが行うわけですから、営業効率が格段にアップします。突き詰めると製品やサービスの説明、デモなども営業は行う必要がなくなります。スキルの高い営業はより多くのお客様を担当することができたり、特定の戦略的なキーアカウントに集中できるようになるでしょう。また、低スキルの営業でも売れる可能性もあるわけです。

ただし、インバウンドマーケティングではマーケティングが賢くなければ成立しません。単純にイベントやりました、広告やりました、PVがあがりました、カタログ作りました というマーケティングは通用しなくなるでしょう(もちろんこれらも大事です)。明らかにマーケティングにも営業的な視点が求められてくるのです。

今後、インバウンドマーケティングを突き進める企業は、マーケティングと営業がバランスをとりながら、お客様の満足度を向上させ企業の利益を最大化することが大きな命題になることは間違いありません。営業活動もインバウンドに対応した組織体でなければならず、インバウンドマーケティングはマーケティングに留まらず営業スタイルも変化させるインバウンドへと進化すると言っても良いのではないでしょうか。

*(オープニングムービーとKeynoteをすべてお伝えしている全編はこちらからどうぞ:INBOUND 2015 Keynote:Brian Halligan and Dharmesh Shah of HubSpot

*今回ご紹介した新機能以外にも「Predictive Lead Scoring」など有益そうな機能に関しましては現在検証中ですので、追ってこのブログでご紹介させていただく予定です。

導入事例:C Channel 株式会社

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