この記事は、「Moment Makers」シリーズの一部です。このシリーズでは、マーケティング担当者がテクノロジーを活用して、データに基づいた顧客体験を構築し、マーケティング活動を適切に改善する方法を掘り下げています。
今日のマーケターは、優れた顧客体験を創造し、自身の仕事の価値を示し、成長を促進するためのツールをこれまで以上に手に入れています。しかし、マーケティングデータを戦略的に活用することは、多くの人にとって未だに課題となっています。私たちが直面しているいくつかの大きな課題を挙げてみましょう。
- 平均的な企業は約900のアプリケーションを使用していますが、28%しかデータが統合されていません。
- マーケティング担当者は、クロスチャネルマーケティングの取り組みとその結果として得られるデータを管理するために、平均13種類のマーケティングおよび広告プラットフォームを使用しています。しかし、80%もの人が日次もしくはリアルタイムレポートにアクセスできていません。
- マーケティング担当者の54%が、オーディエンス、コンテンツ、オファーに関するより深い洞察を重要な成長分野と考えており、49%が顧客の理解とエンゲージメントをより深めたいと考えています。
あらゆる業界では、俊敏性が求められています。そして、マーケターがオーディエンスの動向を把握し、何がうまくいっているのか(何がうまくいっていないのか)を把握し、機敏さを保つことができるのはデータがあるからに他なりません。
Q3: Describe what agile marketing means to you in three words only.
— Marketing Cloud (@marketingcloud) October 7, 2020
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データを戦略的に活用している企業が存在していることも事実です。私たちはそれらの企業から学ぶことができます。例えば、マリオット・インターナショナルもその一つの企業と言えます。
マリオット・インターナショナルの社内デジタルエージェンシーであるマリオット・デジタル・サービス(以降、MDS)は、データ主体のシステムを取り入れて、戦略を柔軟にし、新たな成長のシナリオを見つけることができました。その方法をご紹介しましょう。
With travel & hospitality disrupted by COVID-19, @Marriot Digital Services used Datorama to:
— Salesforce Datorama (@Datorama) October 22, 2020
✔️ automate reporting
✔️ integrate 500 data streams
✔️ align 3,000 hotels on reports
Hear from @ChrisIRobinson about this transformation live at #Limitless2020: https://t.co/7PNx96X5eu pic.twitter.com/RCgdAMjqId
マリオットがマーケティングインテリジェンス機能を活用してどのように変革したか
同社は、マリオット・インターナショナルは、単なるホテルフランチャイズではありません。世界で30の異なるブランド、7,000軒のホテル、140万室の客室を運営しているだけでなく、「マリオットデジタルサービス」と呼ばれる社内代理店も持っており、3,000軒以上のホテルがサイトへのトラフィックを増やしたり、コンテンツを最適化したり、デジタル広告を運用したりするのを支援しています。
2019年末近く、MDSは、運用コストを削減し、顧客へのレポーティングの効率性と一貫性を高め、市場投入までのスピードを向上させるために、新しいレポーティングプラットフォームに移行するプロジェクトを開始しました。
同社は、そのプロジェクトを実施するためにマーケティングインテリジェンスプラットフォームのSalesforce Datoramaの採用を決定しました。同製品を導入することでマーケティング担当者は一元化されたシステムでデータを確認し、分析し、行動できるようになります。そして、2020年4月のカットオーバーを予定していました。
2020年3月にパンデミックが始まったことは周知の事実でしょう。人々の旅行はストップしたことに伴い、マーケティング予算は削減されました。また、スタッフは一時的に解雇されました。COVID-19がマリオットに与えた影響は、大不況や9.11同時多発テロを合わせたものよりも大きかったと、MDSのカスタマーサクセス担当ディレクターであるクリス・ロビンソン氏は2020年のリミットレスカンファレンスで語っています。
しかし、チームは邁進し、4週間後には、新しいダッシュボード、レポートの自動配信機能、標準化された分析手法、そして新たに統合された500のデータストリームを備えた新しいレポートシステムを稼働させました。
結果はどうだったのでしょうか?より強力で効率的なデータリポジトリができたことで、MDSはマーケティングのパフォーマンスと顧客への影響を最適化することが可能になったのです。
「今回のプロジェクトで処理時間を50%短縮し、ダッシュボードを64種類に改善し、10種類のサブチームにまたがるレポートを統合して、顧客のために一貫性を持たせることができました」とRobinson氏は述べています。
さらに2020年秋、MDSは顧客にレポーティングプラットフォームへの直接アクセスを提供しました。この取り組みによりダッシュボードの表示、フィルタリング、ダウンロードが可能になり、より迅速に洞察を得ることができるようになります。
[SMART_CONTENT]マリオットが新しいデータ機能を活用してサービスを拡大する方法
Datoramaはまた、MDSのビジネスモデル全体を支援しました。2019年には、115カ国、3,800人のマリオットホテルの顧客を対象に58のプログラムを運営していました。これらのプログラムは年間契約ベースで運営されており、維持費は5,500ドルから75,000ドルでした。
しかし、COVID-19の影響に対処が必要な顧客に対して年間契約は柔軟性がなかったことが大きな課題でした。MDSは、価値を犠牲にすることなくこの問題解決に取り組みました。
2020年8月、MDSは、すべてのクライアントを対象とした新しい月額サービスを導入しました。ソリューションの価格は75ドルから225ドルの範囲で、顧客のニーズに基づいてスケールアップまたはスケールダウンが可能となります。また、今回のサービスではいつでも解約することができます。
新しい月額ソリューションの1つであるMarriott Digital Servicesレポーティングは、ホテルのWebサイト、視聴者セグメント、有料メディア、SEOのパフォーマンス指標を表示するDatoramaダッシュボードへのアクセスを、年間契約なしで提供するものです。その他にも、コンテンツ、SEO、有料メディア向けのDatoramaダッシュボードソリューションも予定されています。
「Datoramaを使用するようになってから、納期が大幅に短縮されました。また、ダッシュボードの追加構築やプロジェクトに取り組む時間が増え、既存のクライアントにより多くのレポートを提供し続けることができるようになります」と、Limitless社でプロセスとシステムのシニアマネージャーであるLori Drake氏は述べています。
.@Marriot Digital Digital services pivoted their strategy during COVID-19 to provide customers with innovative reporting and offerings that would drive value and meet their needs.
— Salesforce Datorama (@Datorama) October 22, 2020
Explore more with Lori Drake at #Limitless2020: https://t.co/7PNx96X5eu pic.twitter.com/YGEP1yE9ou
2021年に向けて、顧客データを管理・把握・分析することは「あったらいいな」というものではありません。もはや必要不可欠なのです。今こそ、マーケティングパフォーマンスを最適化し、可能性の限界を押し広げるための戦略を作成する時と言えるでしょう。
Salesforce Datoramaは、マーケティング担当者がマーケティング予算を最適化し、最大限の効率性とROIを実現します。Datoramaは、チャネルをまたいだマーケティング費用とパフォーマンスデータを1つの記録とインサイトのシステムに統合し、マーケティング担当者がインパクトを測定して顧客エンゲージメントを向上させ、無駄を排除し、テストと学習を行い、すべての利害関係者を調整できるようにします。
出典: "Marriott Digital Services’ Business Model Was Turned On Its Head During the Pandemic — See How It Got Things Right", Datorama.com, (参照 2020-12-28)
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- マーケティング分析