インターネット広告におけるKPIのポイントとは?

 2021.06.23  マーケティング インテリジェンス チャンネル

インターネット広告の運用効率を最大化するためには、定量的なデータ分析に基づく目標設定が欠かせません。そこで重要となるのが、最終的なゴールへと至るプロセスの達成度合いを測定するKPIの設定です。本記事では、インターネット広告におけるKPIの種類や設定のポイントについて詳しく解説します。

インターネット広告におけるKPIのポイントとは?

インターネット広告におけるKPIとは

「KPI(Key Performance Indicator)」とは、最終的なゴールに至るプロセスの達成度合いを測定する指標のことです。

利益の最大化が企業の最終的なゴールとするならば、販売数の増加やコスト削減、新規顧客の獲得やリピート率向上などのプロセスを通らなければなりません。最終的な目標に至るために必要なこれらのプロセスを、どれだけ達成したのか把握するための指標がKPIです。では、インターネット広告におけるKPIとは、どのようなものなのでしょうか。

基本的なKPI

商品やサービスの販売、問い合わせ獲得などのコンバージョンをインターネット広告の運用における大きなゴールとするならば、そのために必要なプロセスが基本的なKPIです。ここでは、リスティング広告を例に考えてみましょう。

リスティング広告とは、ユーザーが検索したキーワードに連動して掲載される「検索連動型広告」のことで、その代表格が「Google 広告」や「Yahoo!広告」です。リスティング広告の運用では、KPIとして「インプレッション」「クリック率(CTR)」「クリック単価(CPC)」「獲得単価(CPA)」という指標をよく利用します。

インプレッション

インプレッションとは、一定の期間において広告が表示された回数のことです。インプレッション数は、必ずしも多ければよいというものではありません。例えば、認知獲得が目的ならば、インプレッション数は多いほどよいと言えます。しかし、コンバージョン獲得を目的とする場合、インプレッション課金の広告では余分なコストが発生してしまうため、インプレッションが多くても意味がありません。この場合はクリック率などの、売上に直接関わるほかの指標のほうが重要です。

クリック率(CTR)

クリック率(CTR)は、表示された広告がクリックされた頻度を示す割合です。クリック率は「クリック数÷表示回数」という計算式で求められます。クリック率を上げることで、Webサイトへの訪問者を増やせるほか、クリック率の向上によりクリック単価を低く抑えられるようになります。クリック率を改善するためには、ターゲットのニーズを考慮したキーワード設定の最適化や広告文の見直し、広告表示オプションの利用などが効果的です。

クリック単価(CPC)

クリック単価(CPC) は、1回のクリックに対して発生する広告費用のことです。ビッグキーワードほどクリック単価も競合性も高くなります。クリック単価が予算をオーバーしている場合は、入札単価を下げるか、競合性の低いキーワードに変更することも考えられますが、その前に検討しなければならないのが広告の質の改善です。

Google 広告では、広告の質は「品質スコア」として管理画面に表示されます。このスコアを改善することで、クリック単価を引き下げられる可能性が生じるのです。そのほかに、広告表示オプションや、キーワードと内容的に関わりの深いサイトに広告を配信可能なコンテンツターゲットの利用も、クリック単価の引き下げに効果的です。

獲得単価(CPA)

獲得単価(CPA)は、「広告費用÷コンバージョン件数」で求められる、1件のコンバージョンを獲得するのにかかったコストを示す指標です。インターネット広告によるマーケティングでも、特に重要度が高い指標だと言えるでしょう。

獲得単価が低ければ低いほど、広告費をあまりかけずにコンバージョンを獲得できていることになります。獲得単価が悪化している場合は、キーワードや広告文の見直し、ターゲティングの最適化のほか、ランディングページのコンセプトそのものの見直しを行い、広告とランディングページの親和性を高めることが求められます。

ただし、獲得単価は変動するため、その背後にある要素を常に考えながら広告を展開しなければなりません。獲得単価を下げることばかりに気をとられてしまうと、肝心のコンバージョンが減ってしまう可能性があります。

ビジネスに関するKPI

ンターネット広告は、企業の製品やサービスの認知度を高め、販促機会を最大化することや、利益率の向上に役立ちます。そのために重要なKPIが「ROAS」と「ROI」です。

ROAS

ROASは「Return On Advertising Spend」の略称で、広告費に対して得られた売上を測定するための指標です。つまり、「インターネット広告の運用における費用対効果を測れる指標」です。ROASは「売上÷広告費×100(%)」という計算式で求められます。例えば、Yahoo!広告に50万円の広告費を投入し、90万円の売上が得られた場合のROASは180%です。ROASは、投資した広告費用の回収率を測る指標でもあり、数値が高いほど費用対効果に優れていることを意味します。ROASの数値が悪化している場合は、広告媒体やキャンペーンの見直し、ターゲティングの再定義といった対策が必要になるでしょう。

ROI

ROIは「Return On Investment」の略称で、広告費に対して得られた利益率のことです。ROASと同様に、広告の具体的な費用対効果を測れますが、ROASが「広告の売上への貢献度合い」を表すのに対し、ROIは「広告が利益をもたらした度合い」を表します。

ROIは「利益÷広告費×100(%)」という計算式で求められます。売上から経費を差し引いた利益が70万円で、広告費用が50万円なら、ROIは140%です。企業経営において売上はもちろん重要ですが、それ以上に大切な指標となるのが利益率です。ROIが目標値に達していないのであれば、売上を増やすことはもちろんとして、広告費やターゲティングの最適化も同時に行う必要があるでしょう。

インターネット広告のKPI設定のポイント

インターネット広告のKPIを設定するうえで重要なポイントは、「達成可能なKPIであること」と「KPIの優先順位をつけること」の2つです。

達成可能なKPIであること

KPI設定の目的は、最終的なゴールへと至るプロセスを数値化し、「目標達成のために何をすべきか」というアクションをはっきりさせることです。ゴールに至るプロセスが明確になると、行動意欲が刺激され、スタッフのモチベーション向上につながりますが、あまりにも壮大すぎるKPI設定は、かえってモチベーションの低下を招きます。

インターネット広告の運用に限らず、目標管理はビジネスにおいてとても重要です。経営学者のピーター・ドラッカーは目標管理の重要性を説いた人物として知られています。彼は「目標抜きでマネージメントしようとすることは、空路を地図も目印もなく、無計器飛行することに似ている」という言葉を残しており、大きな目標を設定することが重要であると述べています。しかし、それは決して現実不可能な目標を設定するという意味ではありません。KPIにおいても同様で、あくまでも達成可能な範囲で目標を設定することが大切です。

KPIの優先順位をつける

KPI設定において重要となるもう1つのポイントは、優先順位をつけることです。KPIの重要度や緊急度を考慮して目標を設定することで、ゴールに向けて投下するリソースや道のりが明確化され、プロジェクト成功の確率が大幅に上昇します。重要度や緊急度の高い活動に取り組む比率が高くなれば、自ずとスタッフの生産性も高まります。そもそも、KPIを設定してもすべて達成することは困難です。だからこそ、優先順位をつけてプロジェクトに取り組むことが重要なのです。

KPI設定は登山に例えられます。山頂へと至ることが企業の最終的なゴールだとするならば、KPIは頂上に至るルートの選択や装備品を整えることです。山頂に到達するためには、ゴールから逆算して出発時刻を設定することはもちろん、防寒着やレインウェア、コンパスや食料などを、優先順位をつけてそろえていきます。KPI設定も同様で、最終的なゴールから逆算し、重要度や緊急度を考慮して優先順位をつけることが大切です。

まとめ

インターネット広告の運用成果を最大化するためには、最終的なゴールを明確化し、そこに至るまでに必要なプロセスを定量的に把握する必要があります。KPIとは、いわば最終目標を達成するために必要な中間目標です。

しかし、山頂は1つでも頂へと至るルートは数あります。KPI設定においても、目的に合わせて適切なルートを設定しなければなりません。大切なのは自社の理念やビジョンを実現するために何が必要なのかを考え、そこに至るプロセスを具体化することです。適切なKPIを設定することで最終的なゴールに至る道筋が可視化されれば、組織全体で目的意識を共有できるでしょう。

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