POSデータ分析とは?具体的に何がわかるのか

 2020.08.14  マーケティング インテリジェンス チャンネル

1978年にJANコード(どの事業者の、どの商品かを表す識別子:バーコード)が制定されたことをきっかけに、現在のPOSシステムが完成します。POSとは「Point of Sales(ポイント・オブ・セールス)」のことであり、商品販売時点のデータを保持するためのものです。コンビニやスーパーなどで誰でもPOSレジを目にしたことがあるかと思います。同システムから集積されるPOSデータはあらゆるシーンで活用されています。本記事では、POSデータ分析を通じて企業は何を得ることができるのか?についてお話します。

pos-analytics

POSデータって何?

POSシステムを通じて様々なデータを得ることができます。それではPOSデータとは具体的に何を示すものなのでしょうか?店舗レジにて商品のバーコードを読み取ると、購入された商品・購入された時間・購入された店舗・商品ごとの点数・商品ごとの値段などのデータをリアルタイムに集積します。さらに、レジによっては商品を購入した消費者の性別や年齢(大まかな)を打ち込むボタンがあり、それによって「どのような消費者が何を購入したのか?」を明確に把握することができます。最近ではポイントカードを精算時に定時することがありますが、それは個人と購買活動で得られるデータを紐づけることを目的としています。

実際にPOSデータとはどういうものなのか?を直感的に理解していただくために、POSデータ分析・活用ソリューションを展開するKSP-POS株式会社が公開しているPOSデータをご覧ください。

 

pos-data

以下、酒類・飲料などのPOSデータが続く

引用:オープンデータ 新商品売れ筋ランキング 2020年29週

POSデータの活用方法とは?

商品が購入された時点のデータを集積したからといって、何ができるの?と思われる方もいるでしょう。しかし、店舗や運営母体となる企業はPOSデータを通じてあらゆる情報を得ることが可能になります。例えば、次のような情報です。

  • 売れ筋の商品と、その商品が売れやすい条件(パターン)が判明する
  • 死に筋の商品と、その商品の将来性について分析できる
  • どの消費者にどの商品をアプローチするのが最も効果的かが分かる
  • 組み合わせることで売れやすくなる商品を分析できる
  • ターゲット層ごとに好まれる商品の特徴を知ることができる

POSデータを通じてこのような情報を導き出すことで、今までのビジネスでは考えられなかったインサイト(洞察)を生み、商品開発やマーケティングなどあらゆる場面で情報を活用することができます。

また、POSデータの分析によって売れる商品と売れない商品、売れるタイミングなどを把握することで仕入れサイクルの最適化を行い、商品在庫を適正に保つことにも貢献します。そのためキャッシュフローを改善するとともに仕入れコストの削減に取り組むことも可能です。POSデータによって、店舗の「今」を全体的に把握し、より良いビジネスのために貢献できるのです。

 

統合的マーケティング・アナリティクス戦略に必要な7つのステップ
導入事例:ダイキン工業株式会社

POSデータ分析に使用される分析モデル

では具体的に、POSデータをどうやって分析するのか?そこでは主に統計分析を用いて、膨大なPOSデータから有用な情報を導き出すための取り組みを行います。

モデル1. アソシエーション分析

共起しているデータには必ず何かしらの関連性があると考え、そこに隠れている要因を明らかにするのがアソシエーション分析です。この分析手法の一種が「マーケットバスケット分析」であり、POSシステムの登場によって一躍有名になりました。

マーケットバスケット分析では消費者が購入している商品をデータとして分析し、例えば「商品Aを購入した消費者の75%が商品Bも購入している」などの関連性を見つけ出します。そこからある仮説を立て、検証し、実証してビジネスに有用な知見を発掘します。ちなみにアソシエーション分析とマーケットバスケット分析は、「データマイニング(データの発掘)」と呼ばれるデータ活用に分類される分析手法です。

 

モデル2. クラスター分析

性質の異なる複数のデータが混ざり合って存在している状況から、類似性の高いデータをクラスター(集団)として分類し、それらの関係性を分析する手法です。ポイントは「クラスターの分類方法」「分類の形式(階層的か非階層的か)」「分類に用いる対象間の距離」「クラスターの合併方法」です。

中でも重要なのが「分類に用いる対象間の距離」で、つまりはデータ同意の類似性をどうやって定義するかが分析精度を大きく分けることになります。

 

モデル3. デシル分析

POSデータの中から作為的に抽出したデータを10個のグループに分類し、それらが全体に与える影響を見るための分析モデルです。例えば菓子類商品における売上全体の中で、どのカテゴリが、全体比率が高いのかなどを把握していきます。さらに同カテゴリ内でもデシル分析を実施することで、より細かく売れ筋や死に筋を把握するのに効果的です。

 

モデル4. ABC分析

ABC分析は商品の売上高や販売個数、あるいはコストや在庫などウェイトが大きい順にランク付けを行い分析し、優先的に管理する対象を決める分析フレームワークです。「ウェイトが大きい」とはつまり、「会社にとって利益になる」ことを意味します。ウェイトが大きい商品に対して重点的に経営資源を投下することが売上利益を効率的にさせることが可能です。

ABC分析はシンプルな分析モデルとして知られていますが、経営戦略やマーケティング施策を立案する上で基礎となる分析結果が得られるので、データ分析に精通している人でもよく使用するのが特徴です。

 

モデル5. RFM分析

RFM分析では消費者の「Recency(直近いつ)」「Frequency(頻度)」「Monetary(購入金額)」という3つの指標を明らかにし、評価・グループ化した上で各グループの性質を知り、それぞれに沿ったマーケティング施策を講じる分析モデルです。RFMの各要素を細かく説明すると次のようになります。

 

Recency(直近いつ)

最近購入した顧客の方が昔に購入した顧客よりも優良だと考え、購入データの中から購入日時を抽出して、最後に購入した日を基準にグループ化する。

 

Frequency(頻度)

どれくらいの頻度で購入したかを判断材料に、頻度が高いほど優良と考え、顧客の購買履歴から過去に何回購入したかを抽出し、回数が多い順番に並べてグループ化する。

 

Monetary(購入金額)

購入金額の合計が多いほど優良と考え、購買履歴から顧客ごとの購入金額合計を算出して、それを金額の大きい順番に並べてグループ化する。

 

POSデータ分析へ取り組む

いかがでしょうか?POSデータ分析を通じてビジネスでは様々なインサイトを得ることができ、使用する分析モデルによって導き出される情報も違います。昨今では、POSデータ分析を簡素化するためのBI(ビジネス・インテリジェンス)ツールも多く提供されています。POSデータを分析するための基盤が既に整えられているので、この機会にデータ分析に取り組んでみていただきたいと思います。また、Salesforceが提供するマーケティング・インテリジェンス「Datorama」はPOSデータとも連携し、マーケティング全体の可視化を最適化します。

導入事例:KDDI株式会社

RECENT POST「マーケティング分析」の最新記事


POSデータ分析とは?具体的に何がわかるのか
統合的マーケティング・アナリティクス戦略に 必要な7つのステップ

RANKING人気資料ランキング

RECENT POST 最新記事

ブログ購読のお申込み

RANKING人気記事ランキング