消費者とそれを取り巻くテクノロジーに進歩により、小売事業者は素早く、正確に、そして適切な情報を届けられるようになりました。それは一方で大きな成功をもたらし、一方では影を落とす結果にもなっています。
しかし、小売業界におけるトレンドの変化というのは、人類が何世紀も繰り返してきた歴史でもあります。その度に新しいプレイヤーが誕生し、既存のプレイヤーが淘汰されてきました。淘汰されたプレイヤーとはつまり「過去のやり方にしがみ付いて変化を受け入れなかった者」です。
トレンドが変化するのであれば、それに追従するのみです。変化を恐れていては時代ごとに誕生する新プレイヤーからの猛攻を防ぎ、反撃に出ることは難しいでしょう。今こそ、デジタルテクノロジーを武器に未来に向けて変化に対応することが重要なのです。
本記事では、小売業におけるマーケティングに多大な影響を与えている3つのトレンドをご紹介します。そして、トレンドを生かした新しいマーケティングの形を一緒に考えていきましょう。
トレンド1. 消費者は常にシームレスな小売体験を求めている
「シームレスな小売体験」とはつまり、複数のチャネルを跨いだショッピングであっても、その境目を意識することなく極めて自然な体験としてショッピングが続けられることを意味します。例えば皆さんは、実店舗で見つけたお気に入りの商品をECサイトで購入したという経験はないでしょうか?
この時、多くの消費者は実店舗とECサイトという2つのチャネルを分断的に往来しています。これは小売事業者が考えるよりも想像以上に消費者にとって面倒なことです。ある国産家具ブランドでは、大型ショッピングモールに構えている大型店舗を「ショールーム」のように考え、そこではスタッフがオンラインでの在庫を踏まえて商品を提案するサービスを展開しています。つまり、本来は消費者自身が行う「実店舗とECサイトの往来」をスタッフが代行してくれているわけです。
これにより消費者は非常にスムーズな小売体験を得ることができ、かつ実店舗には保証や注意事項などを直接聞くことができるため、満足度向上にもつながっています。
消費者の67%はショッピング可能な様々なチャネルにおいて、シームレスなカスタマージャーニーを提供してくれる小売事業者からの購買を望んでいます。しかし、その一方で全体的にシームレスな体験が企業から提供されていると回答した消費者はたった13%と言う結果があることも事実です。
つまり、小売事業者が消費者との繋がりを深め、シームレスな小売体験を提供することは競合他社に対して大きな優位性を手にすることができることを意味します。
◆トレンド2. 断片的なカスタマージャーニーをパズルのように繋げるためのデータ活用
小売業界におけるマーケティング部門が消費者へのリーチに使用しているチャネルの平均数は8個だとされています。しかし今後は、少なくとも10個以上のチャネルを駆使して消費者とのコミュニケーションを図る必要があるでしょう。
小売業にとって今後重要な15個のチャネル
- ウェブサイト
- Eメールマーケティング
- バナーアドバタイジング
- ソーシャルコンテンツ
- ソーシャルアドバタイジング(広告活動)
- ビデオアドバタイジング
- モバイルアプリケーション
- モバイル目セージ
- アフィリエイトマーケティング
- スポンサーコンテンツ
- カスタマーコミュニティ
- ペイドサーチ(リスティング)
- IoTコンテンツ
- ボイスアシスタント
- バーチャルリアリティ(VR)
小売事業者と消費者を繋ぐチャネルが増えるほどに複雑になるのが、断片的なカスタマージャーニーの統合です。チャネルごとに生み出されるデータには大きな価値があるものの、それを整理するための時間やリソースが足りていません。そのため、顧客を断片的にしか捉えることができずに、消費者の理解が促進しないのです。
ちなみに68%の企業は消費者データを管理するための明確に規定された役割とガバナンスを持っておらず、63%の企業は消費者の要求やインサイトに対して迅速に対応できていないという調査結果があります。
トレンド3. リアルタイムにインサイトを得ることでパーソナライズを目指す
消費者が抱えるニーズとマーケターが提供する小売体験とのギャップを埋めるためには、データ分析を介して消費者のインサイトをリアルタイムに入手することが大前提になります。そして、今日の消費者は個々にパーソナライズされたメッセージを受け取り、シームレスかつ快適なショッピングを購買意思決定に役立てたいと考えています。
つまり、消費者はより強く小売事業者とつながることを望んでいるにもかかわらず、それを実現できていない小売事業者が問題なケースが多いことも事実なのです。
消費者は小売事業者とつながっていないと感じれば、簡単に他に目を向けるでしょう。そのため、AmazonなどのEC事業者が既存の小売事業者を踏みしだく結果に至ったわけです。
ある研究によれば、過去1年で少なくとも10%の増収を実現した小売事業者は、良い業績が残せなかった企業と比較すると全ての分野において平均して倍近くデータに重点をおいていたことが明らかになっています。
断片的になっているカスタマージャーニーを1つに繋げるためにデータを統合し、整理し、加工し、リアルタイムに分析できる状態にすることで素早く消費者インサイトを獲得してマーケティングのPDCAを素早く回しているということです。
小売事業者が求めるマーケティングプラットフォームがある
マーケティングトレンドを追う昨今の小売業マーケターは何を求めているのか?それは「データ、あるいはカスタマージャーニーの"俯瞰”」に他なりません。チャネルの細分化によって断片化してしまったデータソースを1つに集約・統合し、消費者データの俯瞰を可能にするマーケティングプラットフォームこそ、これからの小売事業者の反撃を開始する武器になります。
Salesforce Datorama(デートラマ)は、「Single Source of Truth(シングル・ソース・オブ・ トゥルース=唯一無二のデータソース)創出」をコンセプトに小売業のマーケティング活動を強力にサポートするマーケティング分析プラットフォームです。
小売業のマーケティング担当者は、Datoramaを活用することで、データの収集時間を大幅に短縮し、経営効率を高め、組織横断的にチームが統一された情報を操り、正確なKPIを用いてマーケティング活動を進めていくことができます。
つまりDatoramaなら、消費者にシームレスなショッピング体験を与えることも、分断化されたカスタマージャーニーを1つに繋げることも、リアルタイムなデータ分析で消費者インサイトを得ることも可能です。小売業マーケターが欲しがるものは、全てここに詰まっています。
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