顧客満足度の指標を解説 | NPSやJCSIについて

 2020.03.23  Marketing Intelligence

ビジネスパーソンなら顧客満足度という言葉が意味は当然のことのように理解していることでしょう。では、その言葉が具体的に何を指すのか?どのような指標を用いるのか?についてはどうでしょうか?意外と知らない方が多いかもしれません。本記事では、顧客満足度を客観的に判断するための指標として用いる、NPSやJCSIについて解説します。顧客満足度への理解を深め、適切な施策が取れるようぜひ参考にしてください。

顧客満足度の指標を解説 | NPSやJCSIについて

顧客満足度ってそもそも何なの?

シンプルな疑問ですが、意外と回答に窮する方もいるのではないでしょうか。そもそも顧客満足度というもの自体が何なのかを理解することが大切です。

顧客満足度というのは、企業が有償で提供する商品やサービス、さらに無償で提供するサービスに対してどれくらい満足感を覚えたかを数値的に表す指標のことです。もっと具体的に説明しますと、機能価値と感情価値のいずれかまたは両方において、顧客の期待を満たす、あるいは超えることを顧客満足度向上としています。

機能価値をカフェで例えるならば、味・内装・清潔感・接客の4つが主要要素として構成されるでしょう。これらの要素が期待以上のものならば、機能価値の面から顧客満足度向上に貢献することになります。

一方、感情価値は機能価値以外の要素を指し、その多くは顧客と企業がコミュニケーションを取る中で生まれます。よく例に挙げられるのが世界有数のホテルブランド、リッツ・カールトンです。同ホテルでは各スタッフに1日2,000ドルの決裁権を与えており、その範囲内で顧客のためにできることであれば上司に断りを入れずともスタッフ自身が行動できるというエンパワーメントです。

この制度があることで、作り話とも思えるような驚きのエピソードを生み出し、顧客の期待を想像以上に超えることで感情価値の面から顧客満足度向上に貢献しています。

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NPSとJCSI

それでは、顧客満足度を測定する際によく用いられているNPSとJCSIについてそれぞれ解説します。

NPSとは?

NPSはNet Promotor Score(ネット・プロモーター・スコア)の略であり、商品やサービス、あるいは企業自体に対するロイヤリティ(愛着度)を数値化する指標となります。基本的には、「あなたはこの商品・サービス・企業を親しい友人や家族にどの程度すすめたいと思いますか?」という設問を用意し、0~10点で点数を付けてもらいます。そこから顧客を推奨者・中立者・批判者の3つに分類します。

具体的にどのように用いるのかというと、推奨者の割合から批判者の割合を引くことで全体としてのロイヤリティをまず求めます。批判者しかいない場合は-100%、推奨者しかいない状態を+100%として、批判者が少なく推奨者が多いほど数値が高くなる仕組みです。たとえば批判者30%、中立者30%、推奨さ40%ならば40%-30%でNPSは10%ということになります。

NPSの最たる特徴は、その数値が収益性と強い相関関係にあるという調査結果が出ており、NPSが高い企業ほど成長率が高いという事実を確認できる点です。つまり、NPSを画一的な顧客満足度指標として参考にし、かつNPSの向上を目指すことで自然と顧客満足度向上へ取り組むことになります。

JCSIとは?

一方、JCSIはJapanese Customer Satisfaction Index(ジャパン・カスタマー・サティスファクション・インデックス)の略であり、サービス産業の競争力強化を目的として国家的プロジェクトの中で、生産性を測定する一指標として経済産業省、学識研究者、各企業の協力支援のもとで2007年から3年間の開発期間をかけて開発された顧客満足度調査です。米国のACSI(American Customer Satisfaction Index)がベースとなっています。

JCSIの特徴は業界業種を問わず幅広く顧客満足度調査を実施して比較できることと、毎年業界業種ごとの顧客満足度ランキングが発表され、自社のスコアを他社と比較してさまざまな要因分析が行える点です。他社と比較できるという点では、NPSよりも信憑性の高い結果が得られるのではないでしょうか。

ただし、JCSIを実施する場合は調査全体で約90~100個の設問を用意する必要があることから、NPSよりも実施難易度はかなり高いでしょう。

中小企業でも取り組めるSESとは?

顧客満足度調査といて、日本や世界で認められているJCSIですが、実施には相当のコストと労力がかかります。2019年11月時点での「JCSI 情報提供サービス 価格表」では1社あたり60~145万円の費用がかかるので、中小企業等ではなかなか取り組めないのが現状です。

そこで、JCSIを運用するサービス産業生産性協議会が提供しているのがSES(Service Evaluation System:サービス評価診断システム)です。SESは店舗・拠点において商品やサービスを利用した顧客から、モバイル(スマートフォン)を活用して満足度や品質評価を集めてJCSIの評価モデルに適用し、手軽に集計・分析することが可能なシステムとなります(経済産業省の受託事業で株式会社インテージが開発・運用)。

SES利用の流れは、店舗・拠点において商品やサービスを購入した顧客がスマートフォン・パソコン・手記にてアンケート回答を実施し、評価結果をSESに取り込んで自動的に集計・分析・レポートが作成されます。集計や分析結果の入手は事業者独自で操作が可能であり、それらの結果を踏まえて店舗・サービス改善へと役立てることが可能です。

SESでは業種別に設問がプリセットされているので、依頼企業がゼロから設問を考える必要がなく、素早く手軽に顧客満足度調査を行えるのも利点の1つです。

<設問例>

  • 【情報提供・提案力】 セールやイベント、キャンペーンなどが魅力的だった。
  • 【アクセス性】 利用しやすい時間帯に営業していた。
  • 【施設:機能性】 店内は、商品を見つけやすいレイアウトだった。
  • 【施設:イメージ・印象】 店内は清掃が行き届き、清潔感があった。
  • 【サービス・商品ラインナップ】 魅力的な商品が豊富に揃っていた。
  • 【品質・技術】 他社にはない特徴ある優れた商品があった。
  • 【サービス・商品プロモーション】 商品の価格表示や説明はわかりやすかった。
  • 【接客態度】 店員はわからないことや困ったときに適切に対応してくれた。
  • 【知識・能力】 会計をスムーズに済ますことができた。
  • 【安心度】 購入後のアフターケアの体制は信頼できる。

顧客満足度調査に取り組もう!

いかがでしょうか?顧客満足度を調査するための方法が多様にあり、シンプルなアンケート調査や少し特殊なNPS、そして高度なJCSIなど企業ごとの目的に応じた調査方法を選ぶことで、今まで気づくことのできなかった事実を発見し、商品やサービスの改善に繋げることができます。この機会にぜひ、積極的に顧客満足度調査へ取り組んでみてください。

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