旅行サイト「トリバゴ(trivago)」はマーケティングインテリジェンスをどのように活用しているのか

 2020.10.12  Marketing Intelligence

トリバゴは、日本国内でもその印象的なCMで認知されています。そのトリバゴは、trivago N.V.が運営母体となり2007年にローンチされた国内外の宿泊施設比較サービスです。現在はドイツ・デュッセルドルフに本社を置き、2012年12月にはオンライン旅行会社のエクスペディア・グループに買収されましたが、現在でもエクスペディア・グループ以外のホテル予約サイトを比較対象に含めながら大々的なサービスを展開しています。2017年には収益の87%もの金額を、テレビ広告を中心とする広告費に投資したことでも有名です。

本稿では、そんなトリバゴがマーケティングインテリジェンスをどのように活用し、どんな成果を得ているのかをご紹介したいと思います。

※マーケティングインテリジェンスとは、マーケティング活動全体を通じて生まれるデータを集約し、施策改善に欠かせないインテリジェンス(情報体系)を形成するためのツールです。Salesforce Datorama(以下Datorama)がマーケティングインテリジェンスツールとして提供されています。

trivago

トリバゴが抱えていたマーケティングの課題

トリバゴのマーケティング組織はディスプレイマーケティング、ブランドマーケティング、コンテンツマーケティングと3つのチームに分かれ、それぞれが別々の役割を担っています。その中で特に課題を抱えていたチームがディスプレイマーケティングです。

ディスプレイマーケティングはFacebookやGoogleなど一般的なディスプレイ広告のためのチャネルに加えて、リターゲティング広告のCriteo、さらにはEメールベンダーからの支社や直接的にパートナーシップを結んでいる多数のパブリッシャーベンダーに至るまで、様々なデータソースを扱いながら業務を行っていました。そのため管理すべきチャネルが非常に多く、ディスプレイマーケティングのメンバーが自分たちの扱っているデータに透明性がないことと、分析に必要なスピードが欠けていることを日々痛感していたのです。

当時の課題について、ディスプレイマーケティングチームの技術部門を率いるトビアス・シュミット氏は次のように語りました。

“私たちは当初、ベンダーとの統合やAPI接続を確立していましたが、サイト内に広告配信するパブリッシャーの7割以上が、当社をサポートする高度なシステムを持っていません。結局当社チームの大部分の労働力が、大規模なデータ統合のために使われることになったでしょう。さらに、APIの構築と 保守を専門で行うデベロッパーのチームが携わるよ うな仕事に日々追われていたと思います。”

事例紹介:DatoramaがIBMの大規模なパフォーマンスの最適化を実現
導入事例:ネスレ日本株式会社

トリバゴのマーケティング組織がDatoramaを選んだ理由

トリバゴのディスプレイマーケティングチームは、社内の支出額やブッキング情報、収益などの貴重なデータを外部のマーケティングデータと同期することで、統一的なビューを獲得したいと考えていました。しかし、そうしたデータを全て格納できるシステムを持ち合わせていませんでした。マーケティングの力を最大限発揮してビジネスの成長へと繋げる環境は整っているのに、それを実現するテクノロジーを持ち合わせていなかったのです。

その結果として、マーケティングのスペシャリストで構成されたチームでありながら、そのほとんどの時間をデータの準備とクレンジングに費やしていたと言います。これは日本企業でも同様のことが起こっているものと考えられます。昨今のマーケターにはマーケティングや経営に関わるデータの統一的な分析が求められているにもかかわらず、それを効率的に実行する手段が無いがために本業とは違う部分に多大な時間を費やしてしまっているのです。

トリバゴではディスプレイマーケティングの課題を解決するためのソリューションを模索していたところ、ブランドマーケティングとコンテンツマーケティングの両チームでも同様の問題を抱えていたことが判明します。

そしてこれらのマーケティング組織は、それぞれのマーケティングとブッキングの データを統合して協調性を生むための自動化システムとしてSalesforce Datoramaを選択します。Detoramaにより、トリバゴのマーケティング組織は各チームがパフォーマンス分析や最適化を行うための「シングルリソース」を確立するのに成功したのです。

これに対し、ブランドマーケティングのプロジェクトマネージャーであるルトビック・プアナシャンドラ氏は次のように語っています。

“Datoramaのおかげで、完全自動化への軌道に乗ることができました。プロセスをプログラムし、すべてのデータをクレンジングでき、広告投資額やキャンペーンのレポートの管理方法を標準化し、KPIの算出と改善を行えるようになりました。レポートのコピーやクレンジング、フォーマッティングに時間を費やす代わりに、高度なアナリティクスを実施してキャンペーンを真に最適化できるようになりました。マーケティングチャンネルや戦略が追加で発生しても、いつでも自信を持ってそれらを取り入れることができ、チームのパフォーマンスをさらに押し上げることができます”

Datoramaがもたらしたマーケティング組織への効果

では、トリバゴはDatoramaの採用とマーケティングインテリジェンスの形成によって、具体的にどのような効果を得たのでしょうか?

<ディスプレイマーケティング>

  • チーム内で1日あたり80時間にものぼる作業時間を節約できた(2時間*40人)

<ブランドマーケティング>

  • これまでデータの準備に費やしていた時間のほとんどのアナリティクスへ使えるようになった
  • データソースの迅速な取得・統合が実現し、具体的には2~3週間程度かかっていたデータ収集がNielsenデータを毎日自動的に取得・統合できるようになった

<コンテンツマーケティング>

  • レポート作成時のエラーを最大15%削減し、データの信頼性と信用度が向上した
  • データの準備時間を1日9時間からたったの5分に短縮できた
  • 週間、月間のデータの代わりにほとんどリアルタイムの自動化されたデータフィードを導入し、いつでも素早い意思決定が可能になった

これがマーケティングインテリジェンスによりトリバゴが具体的に得た効果です。日本企業の多くも、マーケティング部門において同様の効果が求められていることでしょう。これらの効果を手にするためには、マーケティングインテリジェンスによる「データドリブン(データ駆動の)マーケティングが如何に重要か?」を強く認識する必要があります。

データを基にした経営活動の重要性は以前から叫ばれていますが、マーケティングにおいても同様です。現在、トリバゴと同じようなマーケティング課題を抱えているのであれば、マーケティングインテリジェンスの力に着目し、データドリブンを目指すための環境を整えていくことをお勧めします。その際に、Datoramaによるプラットフォーム構築もぜひご検討ください。

参考資料

Wikipedia トリバゴ(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%88%E3%83%AA%E3%83%90%E3%82%B4)

マーケティングインテリジェンスを統合する、トラベルテクノロジーのグローバルカンパニー

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