4P分析とは?その概要をそれぞれ解説

 2020.05.27  Marketing Intelligence

本記事では、マーケティングフレームワークの中で最も有名なものの1つである、「4P分析」について解説しています。4P分析の提唱者をフィリップ・コトラー(ノースウェスタン大学ケロッグ経営大学院SCジョンソン特別教授)と認識している方が多いでしょう。しかし、最初に提唱したのはエドモンド・ジェローム・マッカーシーという人物です。

フィリップ・コトラーよりも3歳ばかり年上の彼は、1960年に出版した著書『Basic Marketing - A Managerial Approach(ベーシックマーケティング - 経営的アプローチ)』の中で、初めてマーケティングの4P分析について説明しています。それでは、前置きはこれくらいにして、4P分析を分かりやすく解説していきます。

4P分析とは?その概要をそれぞれ解説

4P分析(別称:マーケティングミックス)の概要

数あるマーケティングフレームワークの名称は、ほとんどがその分析手法を構成する要素単語の頭文字から取られており、4P分析も多分に漏れず4つの単語の頭文字から取られています。

  • Product / Products(製品)
  • Price / Prices(価格)
  • Place / Places(流通)
  • Promotion / Promotions(販促)

最初に知っていただきたいのは、マーケティング戦略における4P分析の位置づけです。マーケティング戦略とその実行プロセスでは、複数のマーケティングフレームワークを使用します。その中で4P分析が位置するのは後半部分です。

  1. ビジネス環境の分析と市場機械の発見(SWOT分析・3C分析)
  2. 内部環境・外部環境の変化と脅威を整理(PEST分析・ファイブフォース分析))
  3. 市場全体像の整理と市場の細分化(STP分析セグメンテーション)
  4. ターゲットとすべき市場の絞り込み(STP分析ターゲティング)
  5. 自社ビジネスと競合他社の位置整理(STP分析ポジショニング)
  6. マーケティング戦略の立案(4P分析)
  7. マーケティング戦略の実行と評価(PDCAサイクル)

つまり4P分析とは、5番目のステップまでに整理したビジネス環境、市場機械、政治的・社会的・技術的などのあらゆる要因、自社と競合他社の力関係やそれぞれの得手不得手、市場に影響を与えるテクノロジーの新出などの情報と、市場とターゲットを想定した作られた製品やサービスを踏まえた具体的なマーケティング戦略へと落とし込むための、重要なマーケティングフレームワークなのです。

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だからこそ、少しずつ形は変えつつも最初の提唱から60年以上経過した今でも、エドモンド・ジェローム・マッカーシーが4P分析(マーケティングミックス)を提唱した著書は、マーケティング専門分野における重要なトピックブックの1つとなっています。

4P分析における4つの要素を細かく解説

Product / Products(製品)

ビジネスの利益の源泉となる製品。これは、デザイン・機能・品質・ブランド・パッケージ・サービス・保証などの要素から構成されています。その根底にあるのは、「製品を通じて消費者ニーズをどう満たすか?」という観点です。

この情報を整理して消費者ニーズを限りなく捉えることで、ターゲットごとの訴求すべき製品の特徴が判明します。

  • 消費者はどんな製品を求めているのか?(品質・価格・ベネフィットの観点から)
  • 競合他社の売れ行き好調な製品にはどんな特長があるのか?(デザイン・機能・品質・ブランド・パッケージ・サービス・保証の観点から)
  • それらの情報を踏まえた、自社製品にはどんなアドバンテージがあるのか?
  • 製品ごと、ターゲットごとの適切なマーケティング戦略は何か?
  • その製品は購入者数の間口を広げることが目的か?あるいは既存顧客の成熟を図ることが目的化?

Price / Prices(価格)

製品の適正価格というのは、需要と供給のバランスで決まります。近年では新型コロナウイルスの影響によってマスクの品薄状態が続き、さらに原材料不足から製品価格が高騰しています。しかしこれは、裏で誰かが操作しているわけではなく、市場全体が現時点での適正価格を決めているわけです。

ただし、製品価格は企業側がある程度コントロールしなければいけません。価格次第によってターゲット層が固定されてしまい、本来想定したターゲットと違った市場へ製品を投下する恐れがあるからです。このため、以下の情報を整理しながら製品の適正価格を慎重に見極めていくことが重要です。

  • 消費者が求める付加価値に対して妥当な製品価格か?
  • 市場全体から見た製品価格は妥当なものか?
  • コストに対して十分に採算の取れる価格か?
  • 競合他社の製品価格はどれくらいか?その価格は適正か?
  • 製品価格面において競合他社と差別化を図ることは可能か?

Place / Places(流通)

製品を市場に流通させる経路や販売場所が、売上や市場シェアに大きく影響することは確実です。また、ひとくちに実店舗販売といっても直営店なのかフライチャイズなのか、コンビニなのか百貨店なのかによって流通の在り方が大きく変化します。大切なことは、「その製品を求めている(顕在的・潜在的の両方)消費者に、確実に届けることが可能な流通形態が出来上がっているか?」という観点で、流通の妥当性について検証することです。

さらに、流通は製品のイメージ戦略にも大きく関わります。極端な話、高品質かつ高級感のある製品であっても、コンビニで販売しては製品イメージが著しく低下するということです。

  • 消費者はどこで製品を探すのか?(店舗、ECサイト、製品サイト、SNSなど)
  • 自社はその製品をどこで販売したいのか?
  • 自社の製品を最終的に販売するのは誰なのか?(営業、店舗スタッフ、ECサイト、広告など)
  • マーケティング戦略を通じて維持したい製品イメージは何か?

Promotion / Promotions(販促)

どんなに素晴らしい製品を開発しても、それを広く認知させ、かつターゲット層に対して効果的に訴求できなければ宝の持ち腐れというものです。現代ビジネスにおいて何よりも重要なのは、魅力的な製品を作るための技術力ではなく、高い収益性を生み出すための販売力なのです。

どのようなマーケティング戦略を組み立てるかは?マーケターの手腕次第になります。適切な販促活動を展開するためも、あらゆる手法を整理した上で製品ごと、ターゲット層ごとに適切な施策を立案することがとても重要です。

  • 製品の顕在的・潜在的顧客に対してどのように認知拡大するのか?(情報発信の方法)
  • 具体的にどのメディアを利用するのか?(デジタル広告、ブログ、情報メディア、プレスリリース、SNSコンテンツ、動画プラットフォーム、テレビCM、新聞・雑誌広告、DMなど)
  • ターゲット層ごとに費用対効果の高い販促活動とは何か?
  • 競合他社が行っているプロモーションとは?
  • 誰が、いつ、どこで、どのタイミングで販促活動を実行するのか?

4P分析(マーケティングミックス)への理解度を深めよう

いかがでしょうか?マーケティング戦略全体を通じて、4P分析は非常に重要な役割を果たすマーケティングフレームワークです。シンプルながらも奥が深く、取り組むほどのその楽しさを見出せることでしょう。4P分析への理解度をさらに深めるために、フィリップ・コトラーが提唱した6P理論や7P理論について知ることもおすすめします。皆さんもぜひ、4P分析へ取り組んでみてください。

導入事例:KDDI株式会社

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