ブランド価値とは?

 2020.05.14  Marketing Intelligence

皆さんは、ふと、こう思ったことはないでしょうか。「そもそもブランド価値って何なの?」と。マーケティング業界ではよく、ブランド価値がどうのという話をします。また、ブランドデザインやブランドコンサルティングといった事業も存在します。

ブランド価値とは単なる知名度なのか、あるいはそれ以外の付加価値を意味するのか。本記事では知らない人も多いであろう、ブランド価値についてご説明します。

ブランド価値とは?

ブランド価値は「人間」に置き換えると分かりやすい

いきなり「ブランド価値について説明してください」と言われて、的確に説明できる人はそう多くはありません。誰もがブランド価値という言葉を抽象的に理解し、具体的に何を指し、どのような要素で構成されているかが分からないからです。そこで、ブランド価値を「人間」に置き換えて考えてみましょう。そうするとブランド価値がグッと身近に感じられます。

人間の価値というのはルックスや職業、年収だけで決まるものではありません。一番大切なのはやはり中身、人間性の部分なのですが、ルックスなども人間の価値として換算されることは言うまでもない事実です。たとえば、「30代前半で外国チームに在籍するプロサッカー選手、年俸は約1億5,000万円の男性」と、「50代前半で一般企業に勤めるサラリーマン、年収は一般的な男性」がいて、それぞれの人間性を無視して考えるとすれば前者の方がブランド価値は高いというのは、多くの方が共感することかと思います。

なぜ前者の男性の方が、ブランド価値が高いのでしょうか?それは、プロサッカー選手であること、年俸1億5,000万円であることに対して、魅力を感じる人が多いからと言えます。つまり、ブランド価値というのは本人ではなく、他人が見てどうかという客観的視点から作り上げられるものだと言えます。

実際に、世界的に有名なクラフトビールブランドの創業者、ジェームズ・ワット氏は自身の著書の中でブランド価値について次のように述べています。

“ブランドとは、自分で操ることのできない、人の頭の中にある感情的な反応のこと。つまり、認知の問題なのだ。自分がどう思っているかではなく、他人にどう見られているかが問題になる。”

出典:ジェームズ・ワット著『ビジネス・フォー・パンクス』

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では、ブランド価値が高い企業とは何でしょうか?まずは、経済金融メディアの「お金のカタチ」が米経済誌フォーブスのデータをもとにまとめた、2019年におけるブランド価値が最も高い企業トップ100から、上位10社をご紹介します。

  • 1位 Apple
  • 2位 Google
  • 3位 Microsoft
  • 4位 Amazon
  • 5位 Facebook
  • 6位 コカ・コーラ
  • 7位 サムスン
  • 8位 ディズニー
  • 9位 トヨタ
  • 10位 マクドナルド

引用:『世界ブランド価値ランキングトップ100!日本企業からも多数ランクイン!

いずれも皆さんがよく知る企業ですね。これらの企業はブランド価値が非常に高いことから、社名を出すだけで大きな社会的影響力を生みます。ただし、本記事を読まれている方の中には「自分はMacよりもWindows派だ」、「炭酸飲料やファーストフードは口にしない」、「ディズニーよりもジブリが好き」という方もいらっしゃるでしょう。ここがブランド価値の重要なポイントであり、ブランド価値とは万人にとって共通の認識ではないということです。

検索エンジンはGoogleじゃなくてYahoo!を使っている、ECサイトはAmazonよりもRakutenをよく利用する、愛車はトヨタではなくマツダだ、という方はたくさんいます。つまりブランド価値の基準というのは人それぞれであり、ブランド価値が高いからといって必ずしもビジネスの勝者になるとは限らないわけです。

ブランド価値はコントロールできないモノなのか?

先ほどブランド価値とは「客観的視点から作り上げられるもの」と説明しました。では、ブランド価値とは企業自らコントロールすることは不可能なのでしょうか?答えは「NO」です。客観的視点によって作り上げられるブランド価値であっても、ある程度コントロールはできます。だからこそブランドデザインやブランドコンサルティングといった事業が成り立ちます。

ブランド価値を高めるための唯一の方法が、さまざまな角度から人間の満足度を満たすことです。例えば米Appleが世界No.1のブランド価値を形成している理由は、故スティーブ・ジョブズがカリスマ的存在だったからではありません。1976年の創業以来、世界中のコンピューターマニアを魅了し続ける革新的な製品を開発し続けてきたからこそ、今のブランド価値を形成しています。

Appleが開発したiMacやiPhoneなどはもともと、コンピューターマニアやクリエイティブ性の高い職種に就く人が利用する製品だと考えられていました。しかし、その性能とデザイン性の高さから、先進国の中間層・富裕層を中心として爆発的な人気を集め、今では多くの人に利用されています。

このように、現時点でのブランド価値を作るのは客観的視点ではあるものの、ブランド価値を積み上げる・磨くといった努力を怠らないことで今のブランド価値を次第に高めていくことは可能です。また、単にブランド価値を高めるだけでなく、そこにある付加価値に変化をもたらすことも可能になります。

[SMART_CONTENT]

まずは「カスタマージャーニー」と「ペルソナ」を活用した可視化を

企業として、そして商品やサービスが持つブランド価値を高めたいのでなれば、まず取り組むべきは「カスタマージャーニー」と「ペルソナ」です。

カスタマージャーニーというのは、消費者の行動や思考、感情の変化などを時間軸に沿って追いながら、商品やサービスを購入するまでに至るプロセスを可視化するための分析手法です。ペルソナは自社商品やサービスを購入・利用してくれるターゲットとして想定された、象徴的な消費者像を描きます。

2つの分析手法を用いえることで実現されるのは、消費者の情報収集行動や購買プロセスの可視化による、企業と消費者のタッチポイントの整理。そしてそれに伴い、消費者にとって必要な情報を必要なタイミングで届けることです。

企業と消費者との間にあるあらゆるタッチポイントを管理することで、様々な角度から諸費者の満足度を満たし、ブランド価値を高めることができます。もちろん、最終的には消費者が何を感じるか?が重要なので、自己中心的なマーケティングを展開するのではなく、無数の消費者と対話しながら的確なマーケティング施策を進めていくことが重要になります。

そうすれば企業として、そして商品やサービスが持つブランド価値を高めることに成功し、より少ないコストでリピート率の向上や新規顧客の創出などが行えるようになるでしょう。これまで自社のブランド価値を意識したことが無いという方は、この機会にぜひブランド価値を高める施策にチャレンジしてみてください。

[PDCA]導入事例:ネスレ日本株式会社

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