Cookie規制とは?マーケティング担当者がおさえておきたい対応ポイント

 2021.05.31  マーケティング インテリジェンス チャンネル

デジタルマーケティングを行う上でCookieの概念を理解することは非常に重要ですが、近年Cookie規制が注目されており、企業においても早急な対応が求められています。そこで本記事では、Cookie規制の概要や影響、また企業が行うべき対策について詳しく解説していきます。

Cookie規制とは?マーケティング担当者がおさえておきたい対応ポイント

Cookie規制とは

Cookie(クッキー)とは、Webブラウザのログイン情報を蓄積したデータ、あるいはサイトにアクセスしたユーザーの情報や閲覧したページ履歴などを一時的に保存する仕組みです。

例えば、ユーザーが入力したメールアドレスやパスワードを保存して次のログインを簡略化したり、オンラインショップでショッピングカートに購入希望商品を一時保存したりといった機能もCookieによって可能になっています。Cookieはサイトのユーザビリティを高めるだけではなく、ユーザー情報に基づいてターゲティング広告を表示するなど、企業側のマーケティングにも役立てられています。

このようにユーザーと企業の双方にメリットのあるCookieですが、注意したいのは近年本格化しつつあるCookie規制の動きです。以下では、このCookie規制がどのようなものかをみていきます。

Cookie規制とは

ユーザー・運営側双方から便利に利用されているCookieですが、最近では個人情報保護の観点から、これに規制をかける動きが強まっています。Cookieには「ファーストパーティー・Cookie」と「サードパーティー・Cookie」の2種類ありますが、規制対象となるのは後者です。

両者の違いを簡単に説明すると、ファーストパーティー・Cookieとは、特定のWebサイト内におけるユーザーの行動履歴を保存するCookieです。運営側の観点からみれば、サイト内におけるユーザーの行動履歴が確認できるというものですが、自社サイトから出た後のユーザーの行動は追跡できません。

対して、サードパーティー・Cookieとは、Webサイト横断型のCookieであり、「クロスサイト・Cookie」と呼ぶ場合もあります。例えば、Webサイトに組み込まれた外部ドメイン発行のバナーに付与されたCookieがこれに相当します。このサードパーティー・Cookieを使うことによって企業はどのような足跡を辿ってユーザーが自社サイトに辿り着いたのかを知ることが可能です。

技術面からいえば、すでにAppleは、標準ブラウザのsafariでサードパーティー・Cookieの利用をデフォルトで全面規制しています。また、Googleも2020年1月に、今後2年以内にChromeブラウザにおけるサードパーティー・Cookieの利用に規制をかけると発表しました。

法制面でもサードパーティー・Cookieの規制の動きは進んでいます。「個人情報保護法」の改正等を議論する個人情報保護委員会は2021年4月に、サードパーティー・Cookieの規制に関係する「改正法に関するガイドライン等の整備に向けた論点について(個人関連情報)」を公表しました。そこでは、サードパーティー・Cookieの情報を他社に提供する場合は本人に同意確認する義務が生じることや、その確認方法などについて論じられています。

つまり、サードパーティー・Cookieの情報を提供する場合、あるいは提供される場合は、「個人関連情報第三者提供規制」の対象となる可能性があり、対策を講じなければならなくなるのです。
(参照元:https://www.ppc.go.jp/files/pdf/210407_shiryou-4.pdf

このようにCookie規制は、技術面と法制面の両面で進んでいます。

Cookie規制が行われるようになる背景

こうしたCookie規制の動きが個人情報保護の観点に由来するものです。こうした見方が強まったのは、インターネットにおけるユーザー情報の第三者利用について問題視される事案が現実に発生したことが背景にあります。

欧米の例を紐解くと、コンサルティング会社ケンブリッジ・アナリティカ社(以下CA社)が起こした「ケンブリッジ・アナリティカ事件」は世界的にも有名です。CA社はFacebookに登録された個人情報を2016年のアメリカ大統領選挙などのために不正利用したとされ、大きな批判を浴びました。また、日本においても就職サイトのリクナビが、ユーザー情報(内定辞退率)を分析し、無断で企業に提供していたことが騒動を呼び起こし、個人情報保護強化の必要性をより一層認識させるものとなりました。

こうした事件は、インターネットにおける行動に関するユーザー情報は重大な個人情報となり得るものであり、なおかつ転用・悪用ができてしまうということを浮き彫りにしました。とりわけ問題なのは、自分の個人情報が「いつ・どこで・だれが・なんのために」使っているのかわからないということです。ファーストパーティー・Cookieよりもサードパーティー・Cookieの方が問題視されているのもまさにこの点にあり、個人情報が本人の関知しないところで利用される不可知性や不透明性が課題になっているのです。

Cookie規制による広告業界への影響

冒頭で説明した通り、Cookieは企業にとってマーケティングなどに活用している重要な情報資産です。このCookieが規制されることによって広告業界はどのような影響を受けるのでしょうか。

リターゲティング広告利用ができなくなる

Cookie規制の対象となるのはサードパーティー・Cookieですが、これはリターゲティング広告を運用する上での基礎となる技術でした。リターゲティング広告ではユーザーのサイト遍歴などを活用して最適化した広告活動を行っていましたが、Cookieを活用したユーザー追跡ができなくなると、従来の手法を使えなくなります。また、ユーザーがどのようなルートで自社サイトに辿り着いたのかもわからなくなるので、Cookieによるアフィリエイトの効果計測も難しくなるでしょう。

ビュースルーコンバージョン計測ができなくなる

ビュースルーコンバージョン計測も、Cookie規制の影響を受ける対象です。ビュースルーコンバージョンとは、広告を見たけれどクリックまでには至らなかったユーザーが、その後に別ルートでサイトにアクセスして実現したコンバージョンを指します。つまり、ビュースルーコンバージョン計測は、間接的な広告成果を知るために用いられていた調査手法です。Cookie規制によってこれが不可能になることで、広告のROIやROASの策定において質の低下が起こることが懸念されます。

Cookie規制への対策

サードパーティー・Cookieの情報を活用できなくなることにより、企業の持つユーザーの行動様式の把握が難しくなり、従来のマーケティング手法のいくつかは継続が困難になります。このような状況下で企業が取るべき対策としてはどのようなことが挙げられるでしょうか。

広告以外の集客チャネルの強化

まず重要となるのが、広告以外の集客チャネルの強化です。リターゲティング広告をはじめとする有料広告の効果が下がる分、SEOやSNSなど他チャネルでの集客を強化しなければなりません。また、現状でCookie規制の対象となるのはあくまでサードパーティー・Cookieであり、自社サイト内のユーザーの行動履歴(ファーストパーティー・Cookie)は従来通り利用可能と見込まれます。それゆえ、ファーストパーティー・Cookieの情報を活用して確度の高いユーザー行動情報を分析したり、購買行動に結びつく施策を考案したりすることが従来以上に重要になるでしょう。

新規獲得だけでなく顧客定着率向上の強化

Cookie規制は広告のターゲティング精度を下げ、最終的に新規顧客への訴求力の低下を招くことが懸念されます。そのようななかで重要になるのが、一度サービスを利用した顧客をしっかりとナーチャリングし、リピーター化していくことです。それゆえ、マーケティング施策の方向性としては、新規顧客向けのものだけではなく、「顧客が自社のサービスを何度でも利用したくなる」ような、リピーター化も重視するマーケティング施策を展開することがおすすめです。

顧客体験向上

前項と関連して重要になるのが顧客体験の向上を実現することです。当然のことですが、いくら広告が立派なものでも、実際に利用した商品やサービスの質が悪ければリピーター化は起こりえません。そこで重要になるのが、自社商品の品質を改善し、顧客体験を向上していくための継続的な取り組みです。SNSなどにより、だれもが情報を発信できる今の時代、商品の評価・レビューはあっという間に共有されます。もし良質な顧客体験の提供が実現できれば、ユーザー自身が商品情報を広めてくれる可能性にも期待が持てるでしょう。

まとめ

インターネットにおけるユーザーの行動履歴を追跡するCookieは個人情報のかたまりであり、慎重な配慮が必要であるという観点から技術面・法制面で規制が進んでいます。

Cookie規制の対象となるのは、特にサードパーティー・Cookieです。これによってサイト運営者によるユーザーの行動関連情報を把握する精度が下がり、リターゲティング広告をはじめとするマーケティング手法の一部が従来通りには利用できなくなります。

これに対応するにはSNSやSEOなど他チャネルの集客方法の強化や、ユーザー体験の向上などによる顧客のリピーター化への取り組みが欠かせません。

企業のマーケティング担当者は、こうしたポイントを踏まえた上で、Cookie規制対策に本格的に取り組んでいくことが求められるでしょう。


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