顧客分析とは?最低限知っておきたい分析フレームワーク

 2020.03.24  Marketing Intelligence

顧客を分析するとはどういうことでしょうか?顧客が何らかの商品やサービスを購入する理由は、単に気に入ったからだけではありません。そこには本人すら気づかない潜在的ニーズや購入に至るまでのプロセスが存在します。企業として、これを深く理解することがビジネスの大きな躍進へと繋がります。しかし、具体的に何をすればよいか分からないという方も多いでしょう。そこで本記事では、最低限知っておきたい分析フレームワークについてご紹介します。

顧客分析とは?最低限知っておきたい分析フレームワーク

顧客分析はなぜ必要なのか?

小売業、特にスーパーマーケット事業は1970年頃まで完全な売り手市場だったこと、需要が旺盛だったこともあり欧米で発展したチェーンストア理論(中央集権的な経営手法)が広く浸透します。これにより、日本のスーパーマーケット事業も急速に拡大しました。一方、1970年代に入ると日本全体にモノが行き渡るようになり、次第に買い手市場へと変化していきます。すると、売り手側の都合で経営を回すチェーンストア理論が通用しなくなり、顧客ニーズを満たすことが難しくなったのです。

多くのスーパーマーケット事業はそれから、顧客ニーズに合わせた商品展開をしていく経営手法へとビジネススタイルを変化させます。ここで顧客分析の重要性が増し、常に変化する顧客ニーズをとらえ、ビジネス環境に対応するための活動として発展していきます。売上向上や市場シェアの拡大などはさくまで最終的な目標であり、顧客分析の本質ではありません。

デシル分析

「デシル」とはラテン語で「10等分」という意味です。この顧客分析では、ある値を基準にして顧客を10個のグループに分け、そこから有益な情報を得ようとする分析手法です。たとえば顧客が1,000人いたとすると、一定期間における顧客別購入金額を算出して、上位から100人ずつのグループに分けていきます。

 

購入金額合計

購入金額比率

累積購入金額比率

1人あたりの購入金額平均

1~100人

2,000万円

40.0%

40.0%

200万円

101~200人

1,000万円

20.0%

60.0%

100万円

201~300人

800万円

16.0%

76.0%

80万円

301~400人

500万円

10.0%

86.0%

50万円

401~500人

300万円

6.0%

92.0%

30万円

501~600人

150万円

3.0%

95.0%

15万円

601~700人

100万円

2.0%

97.0%

10万円

701~800人

80万円

1.6%

98.6%

8万円

801~900人

50万円

1.0%

99.6%

5万円

901~1000人

20万円

0.4%

100.0%

2万円

合計

5000万円

100%

-

5,000円

デシル分析を実施することで、「上位200人が売上の過半数を占めている」といった事実を改めて認識できます。するとグループごとに実施すべきマーケケティング施策なども明確になるため、より正確な戦略を立てることが可能になります。デシル分析を実施する際は、購入金額だけでなくさまざまな値を基準にすることで面白い発見があります。

顧客分析の基本

顧客分析の基本は「セグメンテーション」です。これは、顧客をグループごとに分類する作業を意味し、前述したデシル分析もセグメンテーションの一種になります。顧客分析とは要するに、誰が何を欲しているか?を予測してその顧客に効率的にアプローチする方法を探す作業だと言えます。

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たとえばB2Cビジネスの場合、年齢・性別・居住地・趣味といった属性情報をもとにセグメンテーションを行うのが基本です。ただし無数の顧客群から単位分類するのではなく、分類したグループごとにどのような特徴があるかを観察することが一番大切です。すると、「30代男性、都市部在住の顧客グループでは商品Aを購入する可能性が高く、商品Bはあまり好まれない」などの情報が得られます。ただし、ここで顧客分析を終わらせてはいけません。

さらに、なぜ商品Aを購入する可能性が高いのか?なぜ商品Bは好まれないのか?を考える必要があり、そこまで分析することで都市部在住の30代男性というグループのニーズを把握することができます。

RFM分析

次にご紹介するのは、顧客をさまざまな角度から分析するための手法です。RFMとは「Recency(直近いつ)」「Frequency(頻度)」「Monetary(購入金額)」という3つの指標にて顧客を評価し、グループ化した上で各グループの性質を知り、それぞれに沿ったマーケティング施策を講じる顧客分析の手法です。ちなみにRFM分析では次のように顧客を分類します。

「Recency(直近いつ)」

最近購入した顧客の方が昔に購入した顧客よりも優良だと考えます。購入データの中から購入日時を抽出して、最後に購入した日を基準にグループ化します。

「Frequency(頻度)」

どれくらいの頻度で購入したかを判断材料に、頻度が高いほど優良と考えます。顧客の購買履歴から過去に何回購入したかを抽出し、回数が多い順番に並べてグループ化します。

「Monetary(購入金額)」

購入金額の合計が多いほど優良と考えます。これを10段階に分割したのが先ほどご紹介したデシル分析であり、購買履歴から顧客ごとの購入金額合計を算出して、それを金額の大きい順番に並べてグループ化します。

各指標で顧客をスコアリングすることで、次のような事実を発見することができます。

  • Rが高い顧客ほど将来の収益に貢献する
  • Rが低ければFやMが高くても他社に奪われ離反している
  • Rが同じならFが高いほど常連客になっている
  • Rが同じならFやMが高いほど購買力がある顧客
  • RやFが高くてもMが少ない顧客は購買力が低い
  • Fが低くMが高い顧客はRの高い方が優良顧客
  • Fが上がらないか下がっている顧客は他社に奪われている
  • RFMすべてが低い顧客は切り捨てることも検討すべき

RFM分析は通常、それぞれの指標で3~5つのグループに分けて運用します。3つに分けた場合3×3×3で合計27のグループに分けられます。しかし、27グループ全体に個別のマーケティング施策を展開するのは現実的ではないため、各指標を総合したスコアリングを実施してより小さいセグメントを作ります。

RFM分析で重要なのは、ランクをどこで区切るか?ということです。業種、業界。商品や分析を行うタイミング、用いるデータの時間などによって分け方を慎重に検討しなければいけません。ただし、データの分布は一様ではなく、偏った分布になっていることが多いため、慎重なランク分けが重要です。

顧客分析に取り組もう!

いかがでしょうか?顧客分析は難しそうなイメージがあるかもしれませんが、基本を押さえるとExcel操作さえ行えれば誰もが取り組めます。顧客分析に取り組むことで、今まで気づくことのできなかった顧客ニーズを正確に把握し、効果的なマーケティング施策等が展開できるでしょう。まだ顧客分析を実施したことがないという方は、この機会に分析活動に取り組み、自社の顧客ニーズを把握することに努めてみましょう。そうすれば、最終的には売上向上や市場シェア拡大、顧客満足度向上などの効果が表れるはずです。

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