変化対応力の源泉とは?ペプシコがたった30日で2つのEコマースサイトを開始できた理由

 2021.03.05  マーケティング インテリジェンス チャンネル

アメリカ人が家に閉じこもり、デジタルチャネルに頼って主食品を購入している中、PepsiCoは、その強固なデジタル基盤、分析力、データを活用して、1ヶ月間に2つのダイレクト・ツー・コンシューマー向けEコマースサイトを立ち上げました。

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2020年5月、ペプシコは、100以上のスナックや飲料ブランドを購入できるEコマースサイトを2つを同時に立ち上げ話題性を集めました。この時期といえば、新型コロナウイルスの第一波が押し寄せており、多くの店舗が閉鎖された時です。人々が多くの食品をオンラインで注文するようになる傾向を見せた時と同時に、同社はすぐに消費者が直接購入するEコマースサイトを立ち上げたのです。 

PantryShop.com は、ライフスタイルをテーマにしたサイトです。「Rise & Shine」(トロピカーナジュース、クエーカーオートミール、ライフシリアル)や「Workout & Recovery」(ゲータレード、マッスルミルク、プロペル電解質入り水)などの商品をまとめて提供しています。2番目のサイトであるSnacks.comでは、レイズ、トスティトス、チートス、ディップス、ナッツ、クラッカーなどのFrito-Layブランドのよりわかりやすいラインナップを提供しています。 

これらのプラットフォームは、ペプシコの小売チャネルを補完するものであり、消費者が欲する商品を、適切なプラットフォームを用いて適切なタイミングで提供し続けることを保証します。

いつでも、どこでも、はEコマースの象徴的な特徴ですが、COVID-19の時代になってより重要になってきました。

いつでも、どこでも、はEコマースの象徴的な特徴ですが、COVID-19の時代になってより重要になってきました。セールスフォースの顧客の多くをしめる一般消費財企業や、小売、レストランなどでは、刻々と変化するガイドラインや消費者の行動に対応する必要があり、この10ヶ月間で柔軟にならざるを得ませんでした。 

ペプシコが、今回のような消費者との直接取引(D2C)を開始したことで最も印象的だったのは、そのスピードでした。ペプシコ社でマーケティング及び広報のグローバル責任者であるマイク・スカフィディ氏は次のように述べています。

 

コンセプト設計からローンチまで30日で完了しました。つまり、30日でeコマースサイトを立ち上げ、消費者への直接配信を開始しました

ペプシコの製品は、200カ国で毎日10億件もの販売が行われています。これらは23のブランドで構成され10億ドル以上の年間売上高を誇っています。このような大規模で複雑な企業が、どのようにしてこのようなスピード感を実現できているのでしょうか。スカフィディ氏は次のように述べています。

「準備が最も重要です。デジタルの本質は破壊です。私たちは長い間、そのための訓練をしてきました。私たちは20年間、破壊に適応するための準備をしてきたのです」

 

変化対応のために重要なのは準備

スカフィディ氏と私は、Ad AgeのCMO Nextカンファレンスにおいて「Building Resilience and Adapting Your Marketing Tech in Uncertain Times」について講演しました。当講演内でスカフィディ氏は、激動の時代がペプシコを基本に立ち返らせたと強調し、ペプシコが長年培ってきたスキル、特に消費者調査とメディア測定のスキルを活用するようになったと述べています。また、彼はセールスとマーケティング計画にレジリエンス(回復力)を組み込むことの重要性を述べています。組織がレジリエンスを実践すればするほど、レジリエンスが高まるのだそうです。

この一年、多くの組織がレジリエンスを実践する時間を持ちました。店舗が閉鎖され、何百万人もの人々が自宅に閉じこもるようになると、すべてのチャネルでデジタル活動が急増しました。セールスフォースの最新のショッピング・インデックスによると、2020年第2四半期に71%上昇した既存のオンライン売上高が、第3四半期も55%上昇しました。 

また、多くのお客様から、これまで以上に早く新機能を立ち上げる必要があったと聞いています。そうでなければ、彼らはビジネスを失うことになるからです。歩道での集荷、オンラインでの購入、店舗でのピックアップ、デジタル店舗の拡大、予約スケジューリング、連絡先追跡などなど、対応すべきことは山のようにあります。

顧客の急速なデジタル化への適応を支援したいという思いから、マーケティング、コマース、パーソナライズされたエクスペリエンスを1つの傘の下に統合したEコマースデジタルマーケティング製品群であるDigital 360を立ち上げました。これにより、Salesforce のトレイルブレイザーである Spalding や Sonos は、オンラインコマースを劇的に拡大し、実店舗での販売で不足している部分を補うことができました。 

時代が変わってからでは遅過ぎます。基本的なスキルを身につけておけば変化に適応することができるのです。

 

ペプシコ社 マーケティング及び広報のグローバル責任者 マイク・スカフィディ氏

また、同様のケースとしてユニリーバもまた、劇的な市場変化に直面しました。同社の最高マーケティング・コミュニケーション責任者であるキース・ウィード氏は、2018年に「変化のペースが遅くなることはない」と指摘していました。そして、ユニリーバもペプシコと同様に超高速に変化に対応しました。ウィード氏は次のように述べています。

 「人々が(オンラインで)検索するのは、製品ではなく問題を解決するためです。そのためにCleanipedia.com を作成しました。このサイトでは、26 の言語でクリーニングの問題に対する解決策を提示しています。COVID-19の前に構築されたこのサイトは、時代を先取りしており、現在までに 2,800 万人の訪問者を集めています」 

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顧客がどこにいても対応できるように拡張可能な基盤を構築

ペプシコ社のスカフィディ氏は次のように述べています。

「時代が変化している時には、基本的なスキルを身につけてからでは遅すぎるのです。基礎ができていれば、それに適応することができます」

例えば、ペプシコのチームは、広告、プロモーション、Eメールの本当の効果を判断するのに役立つROIエンジンの開発に着手していたため、社内のメディア測定分析を迅速に再構築することができました。ROIエンジンは、データ入力、処理、アルゴリズムを自動化し、ペイドメディアの最適化の決定を改善します。ROIエンジンとConsumer DNAと呼ばれる顧客インサイト機能を組み合わせることで、消費者に対する理解を認識し消費者がどこにいるかを把握することが可能になったと言います。

ペプシコのConsumer DNAプロジェクトは、同社が消費者の360度の視点を得ることで、より効果的でターゲットを絞った広告やマーケティングのためのツールの一例と言えます。

セールスフォースでは、顧客と顧客のエンゲージメントを支援しています。2020年にこれを実現するために、セールスフォースもまた、環境に適応するために、長年培ってきたスキルに頼りました。その結果、Digital 360やWork.comのようなサービスを開始しました。後者は、企業が安全に職場を再開できるように支援します。また、Customer 360 Audiencesと呼ばれる顧客データプラットフォーム(CDP)を導入し、マーケターなどのための統一されたプロファイルを構築するための単一ソースとしての役割を果たしました。

古代ギリシャの哲学者ヘラクリタスは、"人生における唯一の不変は変化である"と述べています。ペプシコが示すように、適応するための最善の方法は、将来的に素早く対応するのに役立つコアスキルを構築することと言えるでしょう。

出典: "PepsiCo Launched Two Consumer Ecommerce Sites in 30 Days — Here’s What We Can Learn From It", Datorama.com, (参照 2021-3-5)

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