STP分析とは?ビジネスを成功に導く必須のフレームワーク

 2020.05.19  Marketing Intelligence

マーケティングの役割は、製品やサービスの情報を適切なターゲットに届け、認知を拡大したり購買意欲を刺激したりすることです。そして現代のデジタル社会において、マーケティングの果たす役割はますます重要性を増しています。

今、消費者ニーズは一様ではなく、多様化しています。インターネットやモバイルの台頭によりタッチポイントを増加し、消費者とのコミュニケーションを複雑化しました。その中でマーケターが、マーケティング本来の役割を果たすにはさまざまなフレームワークを活用し、消費者や自社ビジネスを取り巻く環境への理解が欠かせません。

本記事では、数あるマーケティングフレームワークの中でも基本となる「STP分析」をご紹介します。どんな製品やサービスでもSTP分析は有効なフレームワークなので、積極的に採り入れてみてください。

STP分析とは?

STP分析とは?

「分析」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、STP分析は膨大なデータを集めて分析モデルを構築するような高度な分析ではありません。だからこそ、方法さえ知っていれば誰もが取り組めるマーケティングフレームワークです。

STP分析という名称は3つの単語の頭文字から構成されています。「Segmentation(セグメンテーション)」、「Targeting(ターゲティング)」、そして「Positioning(ポジショニング)」の3つです。マーケティングに少しでも関わったことがある方なら、いずれも聞いたことのある単語でしょう。

製品やサービスの販促活動を展開する上で、当該市場の中で自社がどのポジションに位置しているのか?を理解しながら、明確なターゲットを絞り込んだ上で施策を展開していくことがとても重要です。闇雲な販促活動を続けていても、リソースを無駄に消費していくばかりで高い投資対効果は得られません。

そこで重要なことは、セグメンテーションで市場の全体像を把握し、その市場を細分化した上で自社にとって適切な消費者像をターゲットとして決定します。さらに競合他社との位置関係をポジショニングではっきりさせることで、的確な販促活動が展開できるよう戦略を立てます。これがSTP分析です。

STP分析のメリット

メリット1. 消費者や市場全体のニーズを整理する

重要なマーケティングフレームワークに「ペルソナ」と呼ばれるものがあります。これは、自社にとって理想の消費者像を仮想的に作り上げて、それを明確なターゲットとしてマーケティング戦略を考える手法です。

小売業界のマーケティングを変える3つのトレンド
導入事例:KDDI株式会社

STP分析はセグメンテーションとターゲティングを通じて、具体的なペルソナを設定するための土台を作ります。どのような消費者がどの市場にどの程度存在するのか?が整理できるわけです。

メリット2. 実施すべきマーケティング戦略を明確にする

STP分析、ならびにペルソナやその他のマーケティングフレームワークを通じて明確なターゲットを設定し、競合他社の存在をハッキリさせることで、これから実施すべきマーケティング戦略を鮮明にできます。

マーケティングチームや組織のメンバーがマーケティング戦略において共通認識を持つことにもなります。

メリット3. 競合他社との衝突を避けた施策を展開する

マーケティングには、競争が激化している市場(レッドオーシャン)と、競合他社が参入しておらず競争が少ない市場(ブルーオーシャン)の考え方があります。可能ならばブルーオーシャン)を見つけ出して、独占的にビジネスを展開したいものですが、ブルーオーシャンと呼ばれる参入障壁の低い市場はなかなか少ない現状があります。

ほとんどの市場はすでに成熟しており、プレイヤー同士の力関係もハッキリしています。そうした時代で大切なことは、同じ市場の中でも競合他社との衝突をできる限り避け、自社が戦えるポジションを明瞭にした上でマーケティング戦略を展開することです。STP分析なら、競合他社の存在や競合との位置関係などを把握した上でマーケティング戦略が展開できます。

Segmentation(セグメンテーション)で採り入れるべき分析指標

STP分析のうち、まず大切なのがさまざまな指標を採り入れてセグメンテーションを行うことです。ターゲティングとポジショニングも当然大切ですが、適切な市場分析無くして正確なSTP分析はかないません。セグメンテーションで採り入れたい指標は4つあります。

1. デモグラフィック変数(人口動態変数)

デモグラフィック変数は市場を人工的な統計データで細分化するための指標です。どのような消費者が市場に存在するのかを明らかにできます。押さえておきた項目として、以下のようなものがあります。

  • 性別
  • 年齢
  • 世帯規模
  • 家族構成
  • 職業
  • 収入
  • 最終学歴

2. ジオグラフィック変数(地理的変数)

次に、ジオグラフィック変数で地理的な要素をまとめます。単純な話、市場が日本なのか海外なのかといった地域によって実施すべきマーケティング戦略が変わってきます。また、天候などの指標も用いた上で市場を細分化していきます。

  • 世界の地域
  • 日本の地域
  • 地方
  • 都道府県
  • 市区町村
  • 人口密度
  • 天候
  • 都市開発
  • 発展度
  • 土着の文化

3. サイコグラフィック変数(心理的変数)

人間が抱く価値観や感性、心理面に焦点を当ててセグメンテーションを実施するのがサイコグラフィック変数です。消費者はなぜその製品やサービスを購入・利用するのか?を把握するために用いられ、効率的な販促活動を推進するのに役立ちます。

  • ライフスタイル
  • 価値観
  • 購買同期
  • 正確
  • 社会階層

4. ビヘイビア変数(行動変数)

特定の消費者の行動に焦点を当てて、いつ・どこで・どのタイミングで製品やサービスが売れるのかを明らかにできます。この情報を整理すると、製品やサービスを集中して売り込むべきタイミングや、消費者との接点を知ることができます。

  • 購買プロセス
  • 購買回数
  • 購買時の行動
  • 消費者のベネフィット
  • ロイヤリティの状態

Targeting(ターゲティング)とPositioning(ポジショニング)のポイント

ターゲティングでは、自社の事業成長性と市場規模を考慮しながら、ブルーオーシャンに近いような市場を開拓することが大切です。しかし、前述のようにブルーオーシャンと呼ばれるような市場はもはや稀です。そこで視点を変えて考えてみます。

レッドオーシャンと呼ばれる競争が激しい市場においても、新規参入企業が戦っていける領域は十分に残されています。それを発見するために欠かせないのが、前述したセグメンテーションです。市場を可能な限り細分化して、高いシェア握る大手企業のビジネスが行き届いていない領域を探します。その上で、ニッチではありながらも大手企業には無いベネフィットを提供できるような商品やサービスを展開できれば必ず勝機はあるでしょう(例えば「低価格中品質」を大手が売りにしていれば、「高価格超高品質」で戦うなど)。

さらにポジショニングにて、大手企業を含め市場にひしめく競合他社との位置関係を明瞭にします。ビジネスは競合他社との衝突が少ないほど成功しやすいものです。だからといって、あまりにニッチな市場を狙うと消費者の母数が圧倒的に少なくなり、ビジネスが成り立ちません。

やはり成長性の高い領域でビジネスを展開することが大切ですが、そのためには競合他社との位置関係をハッキリさせた上で、自社の強みと弱み、他社の強みと弱みも把握しながら自社の優位性を確保できるようなマーケティング戦略を立てていきます。

複数のマーケティングフレームワークを活用しよう!

本記事ではSTP分析についてご紹介しました。マーケティングフレームワークを採り入れる際は、単一手法にこだわるのではなく、複数のフレームワークを採り入れることが大切です、STP分析に加えてペルソナやカスタマージャーニー、SWOT分析はPEST分析など多数のフレームワークを利用することで、消費者や市場、自社や競合他社をさまざまな角度から分析できます。そうした多角的な視点を意識しながら、適切なマーケティング戦略の立案を目指していきましょう。

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